□第九話
3ページ/4ページ


「なんなのよ…、貴方達は…」

女王は視線をアリスに戻した。蒼い瞳がジッとアリスを見る。

「アリス…、どうしてこの世界にきたと思う?」
「…分からないわ」

目が覚めたら、白と黒のタイルの床や壁しかなかった。

――――見知らぬ世界…

「わたくし達にはアリスが二人いますわ。あなたと…もう一人…」
「……その人が黒のアリス…?」
「えぇ…」
「その黒のアリスがどうかしたの?」
「…この世界から色を奪ったんだよ」
「猫ッ!」

女王がチェシャ猫をたしなめる。

「アリスはその失った色を探すんだ」
「………」

アリスは不思議そうにチェシャ猫を見る。

「さあ、アリス。失った十二の色を探そう」
「………」



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ