SHORT

□幼馴染みのキョリカン
2ページ/5ページ


〈2〉

真「1人でよゆーだって言ったのに…」
竹「仕方ないだろ。同伴しろって言われたんだから」誰もいない廊下に2人の声だけが響き渡る。
さっきから真帆はずっと不機嫌そうだった。
一方、竹中は美星の言い分はわかっていた。
ぶつかったのは紛れもなくアクシデントだが、自分が加害者であることは自覚している。
真「だいたいナツヒはプレーが大雑把なんだよ。もっかんなら超速でリバウンド取れるってーの」
竹「湊は関係ないだろ。言っておくけどわざとじゃないからな」
真「ふんっ!」
真帆は相変わらず不機嫌なままで、竹中は引け目を感じていた。
加害者である以上、一応の申し訳なさはもっている。

かといって、面と向かって素直に謝れないのだ。

2人は5年生までは何も気にせず付き合える中だったのだが、6年生になって真帆がバスケを始めた頃からギクシャクしてきたのだ。
昔なら気軽に謝れたのだが、何とも難しい年頃である。
真「言っておくけど、ただの付き添いってだけだから。来て欲しいなんて思ってなかったからな!」
竹「わかったよ。いいから歩け」
2人は賑やかに会話しながら廊下の端の保健室にたどり着いた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ