NOVEL

□04 星の夜に
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〈1〉

真「うりゃっ!くらえ」
紗「きゃ!ちょっと真帆!」ひ「おー。よーし、ひなもやるぞー。くらえみずでっぽう」
愛「えへへ…」
小学生達、下山後、午後5時30、湯気の立ち込める露天風呂にて。
そこには容易に想像がつく光景が広がっていた。
幸いにも周りに人はいないが、5人のお湯のかけ合いなるものが始まっていたのである。
ちなみに葵は現在、多少時間がずれて中で髪を洗っている。
昴は…1人寂しく、ということで。
紗「もう…やめなさいったら」
真「いーじゃんせっかくなんだしぃ。あ〜あ、すばるんも来ればいいのに」
ひ「おー。おにーちゃんとお風呂」
紗「ふ、2人して馬鹿なこと言わないの!!!」
智「す…すばるさんと…お…おふ――」
紗「…………トモ?」
智「ふえぇぇぇ!!何でもないよ」
真「ほえ?もっかんはいっつもすばるんとお風呂入ってるだろ??」
智「な、何言ってるの!?そんな訳ないでしょ!」
紗「それにしても…長谷川さんにおんぶしてもらってた時のトモの幸せそうな顔と言ったらねぇ…。山頂で手繋いでる時も…。真帆、部屋に戻ったらカメラ見せてね」
智「えぇ!?」
ひ「おー?ともか、わざところんだ?」
真「くっくっく。部屋に戻ったらでじかめでもっかんの顔をズームインですな」

数秒間。

智花の可愛らしい悲鳴が旅館の隅から隅まで響き渡った…。
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