長編

□4■第U夜■
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教団内に他のエクソシストは戻っておらず、
今のところ狙いはアタシと麻酔で爆睡中のリナリー。

こんなことならラビと引き続き任務へ向かえば良かったとうんざりして居ると、
コムリンUが此方にビームの様なモノを発射してくる。





寸でのところで避けられたものの、
光線で破壊された壁の瓦礫が4人を襲い、リーバー班長の腕に命中してしまった。

ジョニーはボロボロになりながらなめるな、
とキレながら何処かへ走って行ってしまう。

水路へ向かうリーバー班長に落してしまったリナリー探しを任せ、コムリンUに対峙した。







『焔球!!』





脚に力を込めて加速し、
向かってくるコムリンUに炎の弾丸を撃つ。

器用に避ける相手に苛立ちを感じ、
至近距離で撃ってやると近づいたのが間違いだった。

コムリンUの攻撃と体重に耐えきれなかったのか、
足場が崩れ落ちる。

それに気を取られてしまった瞬間がっしりと腕を掴まれ、
ブレーキの効かないコムリンUと共に水路へ落ちてしまった。











ザッパーンと言う水音が聞こえ、肌に感じる水滴。
気付いた時にはコムリンUの腕で高く持ち上げられていた。


腕にはイノセンスの炎が生じている為、
ジュウジュウと音を立ててコムリンU掌を焦がす。
しかし対アクマ武器の修理を行うせいか、
それによる故障は起こらないようだ。





「な、何アレ?何アレ!?」

「サキ!!くっそ…」





どうしようかと思考を巡らせていると、
人の声がした。

先日見かけた珍しい毛色の彼とその腕の中にいるリナリーと一人のファインダー、
そして片腕を抑えているリーバー班長が眼に入る。





先程と同様ピピピと探る音を響かせ、
眼の前に居る4人に襲いかかるコムリンU。
意識がそちらに向いているのか此方に攻撃がない今、
このまま捕まっているわけにもいかない。




『っは!!』




力いっぱい蹴り上げて、捉えているコードを切断。
そのままコムリンUの脚も強く蹴り上げ、
その反動で水路の上の階段に着地した。


炎の足で蹴った所は大きく窪んで少々バランスが崩れ、
コムリンUの動きが鈍くなる。

その隙に事の経緯を説明しているリーバー班長と、
代わりにリナリーを背負った白い少年、ファインダーと合流し、ラボ付近に隠れる。









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