長編

□4■第U夜■
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「リナリー・リー、手術ダー!!!」






教団の通路及び壁をガションと足?で崩しながら猛スピードでリナリーを抱えるリーバー班長に向かうメカを、
何とか足止めできないかと非力にも立ち向かう化学班。

所詮インテリな彼らは力も弱く、体力もない。

数人がメカをこけさせようとロープを足元に張るも、
足止めすら出来ていないのである。











ブラウスが着こめずタンクトップを着用し、
ジャケットを両肩に引っ掛けているだけなので手足にこれでもかと巻かれた包帯が目立つ。

包帯のせいで靴すら履いていないのでメカが壊した地面を歩くのも少々億劫なのだが、
大好きなリーバー班長が追いかけられているなら話は別だ。






『イノセンス、発動』






その言葉と同時に緋色の目が光り、
両手足に炎を纏う。



包帯はイノセンスの炎で消し飛び、
露わになった脚で暴走するメカの背中に飛び乗った。

人の数倍大きいであろう脚を蜘蛛のように動かして移動する姿は、
禍々しい。


何だよこれ、と全貌を確認していると、
器用に長い頭部を後ろに回し、ピピピと何かを探知する音を発する。







「発…見、サキ・蘇芳。エクソシスト発見、手術ダー!!!」

「サキ!!!」








リーバー班長の声が聞こえたと思った時には、
メカが大きな身体を揺らしアタシに向かってコードのような手を伸ばしているところだった。




グネグネ動く手に捕まらないよう炎を纏った腕で払い除け、
足場の悪い背中からリーバー班長の横に降り立つ。

背中のリナリーに目をやると、寝ているのかピクリともしない。

周りには悲鳴と破壊音が響いているのに、
と怪訝に思っていると走りながら−珍しくついて来れたのか−ジョニーが暴走するメカもといコムリンUの説明をしてくれた。







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