長編

□10■第\夜■
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「え?」





「ラビ?」

「あ、いや。…何でもねェ。」



頬を撫でる風に乗って、名前を呼ばれた気がした。

ソレは此処に居ないサキの声。

聞こえる筈の無い声。







「ラビ!ぼんやりしてたらダメっちょ!」

「わりィ、サチコ」

「…ちょめ助でいいっちょ。」






日本へ向かう航路の途中、アクマの襲撃を受け、
単身レベル3と死闘を繰り広げたリナリーは、
イノセンスを強制解放する事でソレを破壊。



しかしその影響を受け、
発動どころか足を動かすことさえ困難になってしまった。





相討つ覚悟でアクマに衝突したのにも関わらず、
生き延びたリナリー・リー。



イノセンスが適合者の命を救うと言う“異例”を起こし、
イノセンスの核と言う“ハート”の可能性が浮上した。




そんな中、ミランダの能力の限界と言うこともあり、
中国から乗っていた帆船から降りて、
助かった3人の船員と共に、
サチコもといちょめ助と日本の伊豆へ着いた。







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