長編

□7■第X夜■
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『コムイ室長!!リーバー班長!!』




限界が近いせいか、炎と呼べるか解らない弱い小さな火を脚に集中させ、
走りながらゴーレムで教団へ連絡を入れる。
状況を素早く報告し、一方的に回線を切った。










何体かアクマを見かけたが、今立ち向かえるほど余力はない。
以前ティナに教わった気配の隠し方、を実行しながら
何処か身を隠せる所を探し走った。





無我夢中で走らなければ思い出してしまう。
失った兄弟を。

きつく握りしめた掌からはそのせいで少し血が滲んでいたが構わない。

アタシは無力だ。












塩分を含んだ風の吹く、海辺へと出た。

浜辺ではなく生い茂る木々と絶壁。
岩肌が露わに主張するソコは木や岩や草が有り、身を潜めるのには適していた。

海からそう高くない位置の為、最悪な事態は飛び込んでやる、
なんて少し自嘲を籠めてその場にしゃがみ込んだ。






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