槻木学園日記
□潮風香る思い出
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「あ〜、あぢぃ〜、マジ暑い、ホント暑い…」
炎天下の中、そんなだらしない台詞が聞こえる。
「お前さぁ、暑いって言うのこれで何回目だ?」
僕は『暑い』を連呼している犬族の少年、リュウトに言った。
「う〜ん、18回くらい?」
「いや、それ以上は言ってる、少なくとも50回は言ってる」
「んな訳があるか!だ〜、でかい声出したら余計暑くなったし…」
なんで僕がリュウトと一緒に歩いているかと言うと。
別にテストの点数が悪いからって補習をしに行く訳ではない。
僕もリュウトも赤点ギリギリなのは事実だが…
若干話しがズレたが、
昨日、アスカから電話が来たのだ。
で、その話しの内容はと言うと。
『明日、お話しがありますので、私の家に来て頂けますか?』
と、これだけ。
正直訳がわからなかったが、直接会わないと話してくれそうも無いので、めんどくさいが炎天下の中わざわざ歩いているのだ。
呼ばれたのは僕だけではなく、リュウトも呼ばれたようなのでしょうがなく二人で行くことにした。
「しっかしまぁ、話しって何なのかねぇ」
「知るか、てかどんな話しかって、聞けなかったん」
「聞こうとする前に切れた」
「結局、意味不明って事かぁ」
歩いている途中、疑問ばかり抱いていたら、いつの間にか鶴城邸についていた。