槻木学園日記
□潮風香る思い出
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「みんなで海に行きませ?」
の一言で口を閉じた。
「はっ?」
たったそれだけで話しが終わったものだから、アスカ以外の全員がキョトンとしていた。
「えっと、ただそれだけのことで俺らを呼んだと?」
「そうですけど何か問題でも?」
「そんなたった一言電話だけで済むだろうが!」
「そんなこと言ったって、皆さんを集めてから言ったほうが一度で済むでしょう!何も怒鳴る必要は…」
ガミガミとリュウトとアスカが言い争いを始めた。
ケンカするのはいいけど怒鳴り散らすのは止めてくれないか?
「オーイ、そこの犬の人〜、そのバカ姉貴に何言ったって無駄だぞ〜」
どう考えてもここにいる五人以外の声が聞こえたのでその声の方向を向いてみた。
そこには虎の少年が一人、何やら退屈そうに腕組みをして壁に寄っ掛かってる。
「ヤマト!貴方いきなり出て来て『バカ姉貴』とは覚悟はできていて?」
ヤマトと呼ばれた少年はアスカから目を反らしながら。
「ど〜も、すいませんでした」
と、言いながら僕らと同じソファーに腰を掛けた。
「えっと、アスカ〜、ボクの予想だとアスカの弟?」
ミハルはいきなり出て来た少年をチラチラ見ながら問いかけた。
「ええ、恥ずかしながら…」
「ちょっと姉貴、どういう意味?」