庭球

□恋慕
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「は?キスはキスだろ?」

「キスっていろんな意味があるんじゃって」
そう告げた所そんな返答が返ってくる。
丸井はそんな何言ってるのお前みたいな表情で仁王を見上げた。
丸井はそういうのに興味がない。恋愛が苦手な彼の興味は全て食べ物へと注がれていた。

「キスって言っても場所によって意味が違うんじゃよ」
「ふーん。例えば?」
「そうじゃなぁ…首筋は『執着』って意味らしいぜよ」

ちゅっとリップ音が響く。
その直後にバサリと物が落ちる音がした。床にポテトチップスが数枚広がる。
そのお菓子の持ち主は顔を真っ赤にし、まるで金魚のように口をパクパクしながら全ての現況を睨みつけていた。

「な、何するんだよいきなりっ!」
「だってブンちゃんがキスして欲しいって顔してるけつい」
「つい、じゃねえよ!オレはプラトニックラブが好きなんだよ!」
「プラトニックとかそんな初心カップルなんてこの世に存在しないわ。キスの種類じゃけど、喉が『執着』、唇は『愛情』、背中は『確認』、耳は『誘惑』を表してるんじゃって」
「わ、分かったからいちいちキスするのやめろ!」

喉、口唇、背中、耳と順番に口唇を寄せる。
流石に連続でキスをされるのは恥ずかしい。

「のうブン太。俺が言いたいこと分かる?」
「…オレに執着しすぎるあまり欲求が凄いので、愛情確認をふくめ誘惑して良いですか?だろぃ?ふざけんなよ詐欺師!」
「そこまで言ってないぜよ。でもキスだけで色んな事を告げることじゃできるけ、プラトニックな関係はいらんじゃろ?」

ニヤリと笑みを深めると丸井の腕をとり、その腕に口唇をよせた。
みるみるとかれの表情がリンゴのように赤く染まっていく。
もしかして…
「キスの意味知っとる?」
「…さぁ?どうだろうな?」

これは確信。
彼は全てを知っている。
染まっている頬とか意味ありげに微笑んでいる表情とかがそれを物語っている。

「…のうブン太。また最初からキスして良い?」
「やだ」
「流石に即答されると傷つくんじゃけど…」
「ふーん」

丸井は少し考えるそぶりをみせると、仁王の腕をとり、腕に口唇をよせた。

「俺はいつもだよ」

いつも向こうにペースを乱される。だからこそたまにはこんな日があっても良い。
表情に出さずにはいるが、微かに赤らむその頬を見上げ、丸井は表情を緩めた。



るくちゃんの希望にそえてない気が…(´;ω;`)
るくちゃんごめんね…(土下座)
るくちゃんのみお持ち帰り可ですっ!

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