少年陰陽師
□光ありて
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しかし、いつもなら騰蛇の神気を感じただけで泣き出す子供らだったが、腕の中の子供は泣くことをせず、スヤスヤと眠っている。
「名は昌浩という。どうやら昌浩は紅蓮が気に入ったようじゃて。」
といいホッホッと笑いその場を後にしようとする。
「待て清明。この子供はどうするつもりだ。」
焦った声を出す紅蓮に
「何、少しだけ子守をしてもらおうかと思っての。」
と飄々と答える
心の中でこのタヌキジジイめと思いつつ
「俺に子供の世話ができるはずがないだろう?」
と反論する。
「そうでもないのでな。紅蓮の腕の中で気持ちよさそうに眠っておるわい。」
そういい今度こそ清明は紅蓮を庭に残し立ち去った。