少年陰陽師

□光ありて
2ページ/6ページ

しかし、いつもなら騰蛇の神気を感じただけで泣き出す子供らだったが、腕の中の子供は泣くことをせず、スヤスヤと眠っている。

「名は昌浩という。どうやら昌浩は紅蓮が気に入ったようじゃて。」

といいホッホッと笑いその場を後にしようとする。

「待て清明。この子供はどうするつもりだ。」

焦った声を出す紅蓮に

「何、少しだけ子守をしてもらおうかと思っての。」

と飄々と答える

心の中でこのタヌキジジイめと思いつつ

「俺に子供の世話ができるはずがないだろう?」

と反論する。

「そうでもないのでな。紅蓮の腕の中で気持ちよさそうに眠っておるわい。」

そういい今度こそ清明は紅蓮を庭に残し立ち去った。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ