少年陰陽師2
□廻り始めた歯車
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時は平成。
子ども達は中学生となった。
一卵性の双子であるからして容姿は同じだったが、兄の昌輝は少し落ち着きはらっており、浩輝の方はおっとりとした穏やかな性格をしていた。
双子達は二段ベッドで寝ており、上に昌輝が。下に浩輝が寝ている。
そして、朝、まず先に起きるのが昌輝で目覚ましがなる前に目を覚まし、目覚ましがなっているにも関わらず、眠りこけっている浩輝を起こすのが日課になっている。
「浩輝、浩輝、起きなよ。支度をしなきゃ。それにしても寝癖がすごいよ」
昌輝に起こされてもまだ眠いのか、目をこすりながら朝食を取るため一階に降りていき、ダイニングキッチンの前にあるテーブルについた。
「昌輝、ありがと。いつもごめんね。でも、なんで、こんなに眠いんだろう?それにしてももっくんも起こしてくれてもいいじゃんか」
「起こされんと起きれんのか、浩輝や」
物の怪は目を眇めて浩輝を睨む。
「浩輝いいよ。俺で起こせる時は起こすから気にしないで」
昌輝は優しいなぁ。いつも輝いて見えるよ。なんてできた兄なんだろう。と浩輝が思っていると、
呟いた浩輝の言葉に対して、この家の主人である安倍清明は言った
「朝から情けないのぉ。気合いが入っておらんからじゃ。じい様はじい様は悲しいぞ」
その言葉に浩輝はムスっとして言い返す。
「ほっておいて下さい!」
そして清明から顔を背ける。
「そんな事より、早く食べないと、学校遅刻するわよ」
そんなやりとりの中、小さい少女の姿の神将が顕現した。
「そうだった。」
「温かいうちに食べないとね」
浩輝ににこっりと昌輝は笑かける。