少年陰陽師
□純粋な心
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朝日が差込み鳥のさえずりが聞こえてくる。
清々しい風が吹き抜け、朝の目覚めを囁きかける。
昌浩は一度、布団から顔を出し、、朝日に目を眩しそうに細め、一息吐き出し、のろのろと身体を起こした。
朝はまだ袿だけでは肌寒く、フルリと身体を震わせた。
頭元で丸くなっている謄蛇は少し頭を上げそんな昌浩を見て、
「早く着替えないと風邪ひくぞー晴明の孫や。」
そういうとさっきまでの緩慢な動きが嘘のように、素早く物の怪姿の謄蛇を捉え頭をペシリっとはたいた。
「本当の事を言っただけだろう。」
「晴明の孫あ余計だと思うんだけど。」
渋面をつくる昌浩に対し物の怪はニヤリと笑って昌浩に言う。
「物の怪の存在で!」
「俺、物の怪違う!」
いつもの変わらない朝のやりとりが始まった。