少年陰陽師
□素直になれない君へ
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「俺はお前を晴明の後継として認めない」
といい続ける君
口が悪く無愛想だけども、俺が見て爺様を誰よりも大切にしているのがわかる。
爺様の身を案じている。
だから今でも紅蓮を許せないんだ。大切だといっておきながら、その業火によって傷つけたことが。
でも、最近は青龍の見方が変わって来た。
青龍が紅蓮の事を今でも許せないのは昔と変わらない。でも、今でも紅蓮を警戒するのはその力を認めているからだってことを。
そんな事を本人に言えば、気分を害して異界に帰ってしまうだろうけれども。
「爺様、失礼します。借りたい書があるのですが…。あれ?」
晴明の私室に向かったが晴明は席を外しており、かわりといえばなんだが、青龍が顕現していた。
昌浩はよりによって自分を嫌っている青龍と出会ってしまった事に戸惑いを隠せなかったが、ともかく、必要な書だけでも持って行きたかった。
「青龍、爺様は?」
何気に話しかけてみたが、青龍は
「諸用で出掛けた。」
と簡潔に返してくる。