その少女、陰陽を指し示す

□眠れる魂呼び覚まされし時3章
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「あっつー………」

目の前で我等十二神将の主……
もとい次期主たる昌希がパタパタとシャツの胸元を扇いでいた

確かに今日は4月末とは言えとても暑い

だからといって思春期に入りかけというか
身嗜みや外見を気にするであろう年頃の娘が

白のタンクトップに学校の黒いハーフパンツ姿というのが
どうかと思うのは我だけだろうか?

縁側に座っている昌希の斜め後ろあたりに座りぽけーっと
眺めているとくるりと昌希が振り返った

「玄武、この暑さなんとかなんない?」
「すまないが、何ともならん」
「そっかぁ〜」

なんだろう、この凄まじい罪悪感

それに加えて後ろから送られる殺気
数はざっと3つ

騰蛇、青龍、六合の3人だ

「あっつー………」

昌希は少しでも涼しい風のあるとこに行きたいせいか
縁側に座っているのだ

…………直射日光の当たる縁側に

我がどうやんわりと縁側に座っていても
直射日光が当たるから涼しくはならんぞと
伝えようか悩んでいたときだった

「………昌希せっかくの休みだ彰子と章子とかを誘って
ショッピングモールにでも行ってきたらどうだ?」

なんと、六合に美味しいとこを横取りされた
忌々しい、六合はいつも美味しいとこ取りをするのだ

案の定昌希はぱぁっと顔を輝かせ
彰子と章子に電話をしに行ってしまった


…………我の存在、忘れられているな
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