その少女、陰陽を指し示す

□眠れる魂呼び覚まされし時
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去年のクラスは最悪だった

クラスメイトが悪い訳じゃない
むしろ良い奴ばっかだったよ


しかしだ

「昌希がいないとか有り得ないから」

俺は宙を睨みながらボソッと呟いた

まったくである
何故マイハニー(本人非公認)と違うクラスだったのか
三年しかないのにもう一年無駄にした

「今年は同じクラスだからいいけどさ」

昌希の方を俺はぼんやりと見ながらぼやく
すると、声が聞こえたのか昌希がくるりと俺の方に振り向いた

今日は良い日だ

「比古どうしたの?何か言った?」

ボーッとしてるけど具合悪いの?
って小首を傾げながら聞いてくる俺の嫁は大変美しいです

ふるふると頭を振って俺はニコッと笑って昌希に答えた

「や、昌希は可愛いなって言っただけ」

聞いたとたん昌希はボッと顔を真っ赤にした

「か、可愛くないよ!比古の方が数倍可愛いよ!」
「いや、可愛いと言われても俺は男だから嬉しくないんだけど………」

昌希はあわあわと手を振り回すと
コホンと咳払いをした

「新入生がもうすぐ入ってくるから、し、静かに待ってろ!」

どう考えても照れ隠しの乱雑な言葉遣いに
既にゆるっゆるの俺の口角はさらに緩む

「はいはい、静かに待ってるよ」

これ以上からかうと昌希の背後とかにいる神将達が五月蝿いからなぁ


告白できれば良いんだけどな



と、


クラスに指示を出すために遠ざかっていく昌希の背中を見送りながら

俺はそっと溜め息を吐いた
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