少年陰陽師2
□心の変化
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コトコトコト
神将の太陰は晴明から食べ物を粗末にするなと言われて、この方料理をした事がない。
でも、たまには冒険をしてもいいのではないかと思ってあらゆる健康にいいという材料を入れて煮込んでいる。
天后や天一が出来るんだから私だってという負けん気からだ。
その料理ははたから見ればもう料理とは言えず未知のものだったが。
「太陰?それはまさか晴明様に??」
恐る恐る天后が太陰に聞いた。
「ううん。取り敢えず味見をしてからと思って。昌浩とか雑鬼とか玄武とか…」
それを聞いた玄武は冗談じゃないと言った風情で異界に身を隠した。
「でも、昌浩様もいきなり味見を頼まれてもビックリされるんじゃないかしら?」
そう天一も言った。
「うーん、じゃあ味見を誰に…」
と周りを見渡すと青龍と目があった。だが、太陰自身、青龍味見をしてというには無理があり、ナイナイと思ったが、いきなり青龍が歩み寄って来て、
「大丈夫よ。青龍に味見をしてなんて言わないから」
そういうが、青龍は鍋を無表情で眺め「これを味見すればいいのか?」
その言葉に天一も天后も「えっ!!」と声を上げた。青龍にしてはこんな如何わしいものを晴明の口に入れるぐらいなら、不味いと言ってつっかえせばいい事だと思っての事だった。
そう言ってる間に軽く中身を箸ですくい口に入れた。
それはなんとも言い表せない味で…冷汗をかき、血の気が引くのを周りから見てもわかった。
そして、青龍は昏倒した。