少年陰陽師2

□護りたい
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一人ではなかった。
自分はいつも誰かに支えられてきた。
だから、今ここにいられる。
大切な仲間がいるから。

夜警で走り回って妖を退治にしていた時も常に誰かの存在を感じていた。

それがどんなに安心できたことか。
それを君は知っているのだろうか?
君の存在が、こんなにも俺の心を温かく、心強くしてくれていることを。


夜も深く、月夜の明かりのみで都の中をかけていた。もう、都の人達は寝静まったのか静かで、少しの物音もしない。朝とはうってかわったようだった。
昌浩は肩に乗っている物の怪に話しかけてみた。

「ねぇ、もっくん」

「もっくん言うな。晴明の孫」

「孫言うな!」


すぐに何時ものこのやり取りをしてしまう。こんな、やり取りでも夜となると声が響く。その事に気付いた昌浩は声を潜めるが、言葉の応酬続いていた。

昌浩は決して短気ではないが、物の怪に対しては条件反射と言うべきか、心を許しているせいもあるのか、売り言葉に買い言葉で返してしまうようだ。

だけども、孫と呼ばれる事に抵抗を深く示すのは、晴明の孫であるからと親の七光りのように見られるのが嫌だからだ。

決して晴明が嫌いなわけではなく。
むしろ、尊敬している。
十二神将を従え、誰にも追従を許さない晴明の力を。
その晴明を本気で越えたいと思っている。

だけども、歳を重ね霊力は落ちたものの、陰陽道に関しての知識を遥かに知り得ている。その必要な使い道も。

追いかけても追いかけても差が広がるように感じて焦ってしまう。

昔、交わした約束を叶えるために
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