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□愛とも哀ともいえない
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カラミティ進撃の前日、ラキシスとは穏やかにすごしていた。共に食事をとり談笑し、共に眠った。それはこれからも変わらず続いて変わらないものだと信じていた。それが急に失われることになるなんて考えもしなかった。
進撃の際のラキシスはいつもどうりで、KOGのパワーバランスも良く安定していた。
このまま何事もなくすべてが終わると信じて疑わなかった。武力行使をしてカラミティの原住民から猛烈な抵抗があったが、それももう終わりにきていた。
星が終わりの時が近づいていたからだ。
もうじきこの星は爆発を起こし、すべてが消え去るだろう。その前に原住民の移動を考えていた。
滅びゆく星と心中する必要なんてないのだから。
だけど、そこに住む人々はそれを良しとはしなかった。
天照にはそれがわからない。そこまでしてこの星に住む意味があるのだろうか。
「もうこの星は爆発を起こす。これ以上はもたないね。ラキシス撤退しよう」
「はい。マスター」
ラキシスは素早くパネルを操作しようとしたが、ラキシスの演算能力が脱出は不可能だと示していた。
一番有効な方法としてはKOGがこの場に留まり、皆が撤退するまでの間、その衝撃を吸収することだが、天照を乗せた状態ではそれは無理だった。
今、AKDにおいて天照を失うわけにはいかない。
ならば・・・・・
ラキシスはヘッドライナーの脱出ポッドを操作し天照を放出した。
「ラキシス!?何を!?」
突如の出来事に天照は目を向いた。
カラミティの中央に鎮座するKOGにこれからラキシスが何をしようとしているのかわかってしまった。
持て余すほどに強KOGのパワーを使って、爆発をギリギリまで押さえ込もうというのだ。
放出された天照はすぐにウィルに保護され、二機のヤクト・ミラージュにKOGの回収に回させた。
だが、抑えきれない程の大きなエネルギーを前にヤクト・ミラージュさえも動く事は出来なかった。
出来たのはKOGが鎮座する半径5000Kmをバスター垉で削りとり海をゲル状に変え爆発した時にすぐさまKOGを回収できるようにしたものだった。
「ラキシス・・・・・無事でいて。」
天照そう願うことしか出来なかった。