十二国記
□青い空
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陽子は尭天に下りてきていた。
尭天は陽子が思っていた以上に活気を取り戻し、がやがやとした町どおりだった。
瓢具を乗ってきた陽子は、瓢具を預け、町中の様子を観察する。
今のところは何も異常はみられることはなく景の人々も過ごしているようにみられた。
歩き回って視察を終えた陽子だッたが、日も高くなり昼餉の時間に差し掛かった。
朝議がある朝は食事は朝起きてから半刻程してから陽子の卓に運ばれる。
陽子はいつも起きたら顔を洗いカーテンを開き朝の光を浴びながら窓を開け雲海より流れくる風で部屋の中を満たす。
そうする事で何かしら清々しい気分になるのだ。
そして朝議を終え、景麒は瑛州府へ赴き業務をこなしている。
浩瀚は私が見やすいようにと案件の手直しをしており、祥瓊は書庫の整理を行い、大網の書写をしている。ただ読んでいるだけでは頭に入らないと祥瓊なりに考えてしているようだった。
そして私は今日は特に裁可の書類もなかった為こうして降りてきたわけだが・・・。
それにしてもさすがにお腹がすいてきたと思い、目の前の飯屋に入った。
そこで町の人々が食べるものを見て懐かしさがこみ上げてきた。
麦とお米が混じったご飯にお漬物が添えられている。そして、それにお茶をかけ食べている。あちらで言うお茶漬けだった。
金波宮では食べれないそれ。陽子は箸を持ち町人がしているようにお茶をかけ食べた。
素朴な懐かしい味そのままだった。でも、とても美味しいと思った。
食事を終えて飯屋を出た陽子は手をかざし空を仰ぎ見た。指の隙間から見える空はとても蒼かった。