さあ立ち上がれ!英雄よ!?_

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「どういう事だよ!つうかお前知ってただろ!?」

「あぁ。だから逃げるなって言ったんだ」

「え〜……」


朝礼が終わりを告げ、俺はすぐさま日吉に詰め寄った。が、飄々としている日吉にこっちが脱力してしまう。
何?その仕方が無いって顔…。


「とにかく、お前はテニス部に入る事になったんだ」

「何ソレ!俺に拒否権は!?」

「そんなモンある訳ないだろうが」


その声と共に、俺たちを囲んで様子を見ていた人達がまるで十戒のように道を開けた。


「跡部さん…」


現れたのは、案の定跡部さん…。


「俺、テニスは初心者ですよ?」

「あーん?お前にやって貰うのは選手じゃなくてマネージャーだ。丁度一人転校して人手不足だったからな」


あ、マネージャーか。なら選手より…って違う違う。


「俺、テニス部に入るなんて一言も言ってないんですけど…」

「なら、これからずっと運動部に追いかけられる学校生活を送りたいのか?」

「う…」


それは勘弁願いたい…。


「俺が直々に手を打ってやったんだ。感謝しな」


お、俺様!?俺様だよ!似合うけど!


「今日の放課後テニスコートに来い。言っておくがお前に選択権は無い」

「え?ちょっ!待ってください!やるとは言ってないですから!」


俺の言葉が聞こえているのか、それとも聞いていないのか、跡部さんは颯爽と去って行ってしまった。


「日吉…」

「この学園で生きて行きたいなら逆らわない事を薦める」

「だよね…」


うう…。マネージャーは大変そうだけど、追いかけられる事がなくなるなら…。
日吉や森野が言っていたように、やってみたら楽しいかもしれないし…!


「って、無理矢理ポジティブに考えようとしてるな…俺…」


何か上手く丸め込まれている気もしなくないし…。







(って、え?嘘、マジで入るの?俺。あそこに?)

拒否権て何ですか?
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