さあ立ち上がれ!英雄よ!?_

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「しかしデカイな〜、自分。鳳よりデカイんちゃうか?」

「鳳?」

「2年のテニス部員だ」

「へ〜…」


鳳って奴もデカイんだ…。
何か苗字しか知らないけど親近感を覚えるな…。


「自分編入生やろ?それだけタッパあれば、部活勧誘大変やろ?」

「それはもう…」


移動教室のときは弁えているのか来ないけど、今日も朝から鬼ごっこを開催していた…。
毎日筋肉痛の体を叱咤して逃げていますよ…。


「いっそテニス部に入るか〜?」

「無理です」

「即答かい」


失礼ながら食い気味に言った俺に忍足先輩は苦笑い。


「テニスなんて授業でしかやった事ありませんし…」


何より、あの衝撃的光景が忘れられない…。
あの人気が俺に出る訳は無いけど、それでも“テニス部”っていうブランドだけで目立ちそう。


「惜しいなぁ。自分やったらいい線いきそうなのに」

「お言葉だけ受け取っておきます」

「ま、強制はせんよ」


そう言って、俺の頭をポンと撫でるように叩いて去っていった忍足先輩。
誰かに頭を撫でられるなんてあまりに久々な事で俺はフリーズした。


「ひ、日吉…」

「何だ」

「テニス部って人の心を掴む術も練習してんの?」

「は?」







(だってドツボを突かれたよ?)
(お前…)
(何!?その変なモノを見るような目!)

ただの素朴な疑問です
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