さあ立ち上がれ!英雄よ!?_

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「…」


日吉が何故跡部さんの説明する時に"テニス部部長"が先に出て来たのかが分かった。


「スゲ…」


何だこの豪華設備。何だこのコートの数。何だこのギャラリー。

放課後。担任と話しをした後、もう一度跡部さんにお礼を言おうと思って、道行く人に尋ねながら辿り着いたテニス部。
コートから少し離れた場所で俺は呆然としていた。正に“開いた口が塞がらない”状態。


「世界が違う…」


コートを囲むフェンスの周囲には女子がひしめいている状態。
何?アイドルのコンサート?

残念ながら、あの女子達を突破し、跡部さんの元へ行く勇気は俺には無い。


「帰るか…」


礼は改めて言おうと思い、踵を返したのは良いが……門はいずこ?
とりあえず歩いて誰か捕まえようと思っていると、前から来る藍色の髪の人の姿が見えた。


「あ、あの!」

「何や?」


関西弁?と言うか、なんつうエロボイス!美形!
じゃなくて!


「つかぬ事をお伺いしますが、東門ってどっちですか?」

「東門ならここ真っ直ぐ行った所やで?」


真っ直ぐ!ラッキーだ!

関西美形さんに礼を言い、意気揚々と歩き出した背中に女子の一層大きくなった黄色い声が聞こえて来た。
振り返ると、関西美形さんが囲まれているのが見えた。テニス部の人だったのか…。
やっぱりアイドルみたいだな…。もしかしてテニス部ってこの学校で特別な存在なのだろうか…。



ちなみに学校の行き帰りは、携帯のナビを利用しています。最近の携帯って便利だよね…。





(あれ?道どっかで間違った…?)

故に携帯を無くしたら俺は泣く
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