参謀様と私の愉快な毎日

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うちの学校は図書館や学食等を一般開放している。
だけど、こんなに他校生…しかも女子ばかりが集まっているのは初めて見た。
それはテニスコートに近づけば近付く程人数を増やし、コートを囲むフェンスには人垣が出来上がっていた。


「な、何コレ…」


色んな制服がいるから、今日の練習試合の相手校の応援じゃないよね…?


「幸村く〜ん!」

「仁王く〜ん!カッコ良い〜!」

「柳生くんこっち向いて〜!」


テ、テニス部のファン!?
確かにテニス部…特にレギュラー達は揃いも揃って何の嫌味だってくらい見目麗しい奴等の集まりだけど、他校にまでこんなに人気なの!?


「スゴイ…」

「あれ?滝田?」

「丸井くん!」

「何してんだ……って、あぁ、マネ代理だっけ?」

「そうだよ…。あのドSに命令されてね…」


ファンの皆さん…、騙されちゃいけないよ…。柳蓮二は鬼畜だよ!

何て話をしていたら、女の子の一人が「キャア!」と耳が痛い黄色い声をあげた。


「丸井くんだー!」


その声を合図にしたようにドッと押し寄せるファン達。私はと言えば、邪魔だとばかりに物凄い力で弾き飛ばされ、強かに尻餅を付いた。

騒ぎに気付いた精市くんが慌ててコートから出てきてくれて、一層色めき立つ女の子達をかわしながら、私の手を引いてコート内にいれてくれた。


「大丈夫?怪我しなかった?」

「ゴメン、精市くん。帰りたい…。本気で帰りたい…」

「今、外に出ればお前は袋叩きだぞ」

「ひっ!」


突然、耳元で囁かれた声に驚いて、反射的に精市くんの背中に隠れた。


「な、何すんの!柳蓮二!」

「ほう。耳が弱いのか」

「急に耳元で喋られたら誰だって驚くよ!」


精市くんのジャージを握り締めて必死に威嚇するけど、柳蓮二には全くの無意味だ。


「滝田」

「な、何?」

「精市に助けられ、手を引かれ、あまつさえ背中にしがみついているお前がコートの外に出たらどうなるかなんて、いくら阿呆なお前でも分かるだろう?」

「っ!」


その言葉に、恐る恐るフェンスの外…女の子達を見ると…


「ひいっ!」


物凄い嫉妬の炎を燃やした目で睨まれていました…。


「これでも帰りたいと言うなら仕方ない。帰ると良い」

「喜んでマネ代理をさせて頂きます!!」


くっそ〜…!計算通りって顔して〜…!







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