参謀様と私の愉快な毎日

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柳蓮二。
立海大附属高3年。王者とまで言われる強豪テニス部のレギュラーにして、参謀と呼ばれる人物。
立海では知らない人は居ない程の有名人。事実、周囲の女子達に対してテニス部に興味は無く、人の顔を覚える事が極端に苦手な私でも知っていたくらい。
そんな有名人である柳蓮二と私は同級生でありながら、卒業まで関わる事は無いと踏んでいた。

が、その予想は今日…と言うか今、崩されようとしている…。


「アルバイトか?3年C組滝田響子」

「…柳、くん…何で此処に…?」

「本屋に本を買いに来る以外に何があるんだ?」

「それ以外ございません…」

「“立海大附属高校校則第25条。アルバイトを禁ずる。特別な理由がある場合は学校の許可を得なければならない”」

「う゛…」

「俺のデータでは滝田が許可を取っている記録はないのだが」


分かってる…。分かってて言ってるよ、この人!


「“尚、これを違反した場合には停学処分とする”」


ぐうの音も出なくなった私に、柳蓮二は笑みを濃くした。


「俺が学校に申告しても良いが…」


どうする?と聞いてくる柳蓮二。
この人、こんなに底意地の悪い奴だったのか…!誰だ!こいつの事を「落ち着いていて大人びていて素敵!」なんて言ったのは!どの辺りを見てそう言ったのか小一時間問い詰めたい!


「まぁ、否定しても良いが」


生徒会役員であり、成績優秀で、生徒からだけじゃなく教師からの信頼も厚い柳くんと、何の取り得も無い、容姿も成績も十人並みの私。
どちらの言葉の信頼度が高いかなんて聞くまでも無い…。


「ど、どうしろと…?」

「そうだな。端女(ハシタメ)にでもなって貰おうか」









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