mine

□SYA -See You Again-
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私は機械人間SYA-00、名前は"鎖紅矢"です。私を作ったのは基山ヒロトという人。"鎖紅矢"という名はヒロトにつけてもらいました。

私は限り無く人間に近い機械です。肉体が傷付けば血を流し、自分の意志で言動をとります。悲しい、嬉しい、腹立たしいなどの感情も備えています。ただ、ひとつ判らないことがあります。

「"好き"…?」

知りたい。"好き"とはどんな感情なのか…。キレイなのかキタナイのか…。知りたいのです。

生まれて此の方、今の私の知識を全て与えてくれた人、ヒロトに聞いてみましたが、曖昧な答しか返ってきませんでした。

「いつか判る日が来るよ」




十年経ちました。

人間に近いと言えど、機械の私は変わりません。ヒロトは大人になりました。私たちの会話が前に比べて減りました。
"好き"はまだ判りません。




三十年経ちました。

故障することも無く、順調に私は変わらず生きています。ヒロトはもっと大人になりました。ひとりで過ごす夜が何度かありました。
"好き"はまだ判りません。




五十年経ちました。

一度だけ暴走した私を止めて、彼が軽傷を負いました。ヒロトの赤い髪が段々と白くなっていきます。彼は家から出ずに私と一緒に居る時間が増えました。
"好き"はまだ判りません。
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