なにもかも越えて、ギャモンがすき。
□[珍しく故障することもあります]
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「キュービック、帰りたいんだけどー」
「あ、可憐、ギャモンと一緒じゃないの?」
「…何でそう思ったの?」
「あ、いや、ギャモンが可憐に用事があるって言うから、2人っきりにしたんだけど」
「ああ。あれはワザとだったんだ。」
「…うん?」
第33話[珍しく故障することもあります]
「帰る。」
華麗が来る前に早く帰りたい。
でもキュービックが私を帰してくれない。
寒いんだよ、アホ共がぁ!
「いや、マジで帰る。」
帰れないなら歩いてでも帰ろう、そう考え、オカベ君から降りようとする。
そんな時。
「お姉ちゃん。」
バンっと勢いよく華麗が扉をあけた
ちなみにギャモン付き。
ヤベぇー。
急いで逃げようとするが、なんだかオカベ君の様子が変だ
するとプシューと音をたてたオカベ君が私を持ち上げ、開いている窓へと私を投げ飛ばした。
まだガラスがあったならそれを利用してふせげたろうに。
しかし、もう、そんな考えすらも遅くて、私の身体は外へと投げ出される
でも別にいいかな、死んでもとボヤーと考えていた。
…そう言えば、前にもこんなことあったなぁ。
あん時は誰かに助けてもらったんだよなー。
…誰だっけ?
自分の身体がスローモーションのようにゆっくりと下へ落ちて行く
…誰でもいいか、どうせ死ぬんだし。
グイッ
私の手が誰かに捕まれ、私の身体は宙ぶらりん
あー、あん時もこーゆー感じだった
……あん時…。
今、私の手をつかんでいる奴はそのまま私を引っ張り上げ、私が窓枠を越えるくらいまで引っ張られ、完全に身体が中に入ると、コケた
ってか皆で引っ張ってたみたい。
絵本のカブみたいに
それで私の身体はその引っ張ってた人の上に落ちた
…あぁ。思い出した
あん時の、アイツ。
fin。
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