なにもかも越えて、ギャモンがすき。
□[忘れた]
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これで今日から軸川センパイもギャモンも来ないな。
…あぁ、苦情は言いに来そうだ。
第18話[忘れた]
「友よ」
「なんだい?可憐」
「えんぴつを貸しておくれ」
「…へぇ。えんぴつでいいんだね」
はい、と本当に木で出来た懐かしのえんぴつを渡された
「…シャープペン、貸しておくれ」
えんぴつを返し、改めて言った
「はいはい。」
友からシャープペンと消ゴム、赤ペンを借りて授業を受ける。
数学のノートと筆箱がおじゃんになってしまったが、それでいいなら大した事はない。
「なぁー可憐ー」
「なんだい友よ」
「あんた筆箱どうしたの?」
「無くした。」
「無くした?」
「うん。」
「あっそーかい。まぁ、何だって良いんだけどさ」
そう言って授業に集中する友に、本当は第一テラスに置いてきちゃったんだけどね、と心の中で呟いた
チャイムがなって
「昼だー。可憐昼食お」
嬉しそうに言う友にうんと頷いた。
[可憐さーん。なんか呼んでるよー]
クラスの子が私を呼んだので何かとそっちへ行ってみると
「あ、お姉ちゃん、これ…忘れてったでしょ?だから――――」
華麗が数学のノートと筆箱を持ってやって来た。
私は華麗を見てスルーし、友の元へと戻った
「いいの?可憐」
「うん。いいのだよ。さ、お昼食べに行こう。」
少し困ったようにしてる華麗を放置して友とお昼を食べに屋上に出た。
「アンタ最近変だよ」
ずっと変な友に言われたくないな。
「どこが?」
「生徒会長から逃げてると思ったらガリレオから逃げてるし」
「あっそー。」
「そーだよ。…何か抱えてるなら俺に言えよ」
「お、珍しく男口調だー。」
「からかうな、アホ」
「はいはい。ありがとね」
「どーいたしまして。」
fin。
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