なにもかも越えて、ギャモンがすき。
□[帰ろう。]
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「綺麗ー。大丈夫?」
「なんで?」
「タルそうだから」
「大丈夫ー。」
第09話[帰ろう。]
……帰ろう。
3時間目と4時間目の休み時間に荷物を持って廊下に出……。
「やぁ、可憐君。バック持ってどちらまで?」
「……。」
私の前に立ってニコニコ笑う軸川センパイ。
どけろよ邪魔だよ。
軸川センパイを無視してスタスタと廊下を歩く
軸川センパイはハァ、とため息をついて私の後ろをついてくる
「軸川センパイ」
「ん?」
「ついてこないで下さい。ミンチにしますよ」
「ミンチにはなりたくないなぁ」
「お昼買いに行くだけなので。」
ピタリと止まって軸川センパイを見ると彼は[似てないなぁ]と呟いた
何がだよ
「とにかく逃げられると困るんだよね」
「嫌です。逃げます」
「だからそれは困るんだよ」
……やっぱり逃げよう
「すみません。軸川センパイ、トイレ行きたいんですけど」
女子トイレを指差すと軸川センパイは[じゃあ、待ってるね]と言った
マジかよ…。
トイレの窓をガラリと開けてみる
ここは3階
ちょっと無理かなぁ
……そうだ。いいこと思い付いた。
トイレから出てまだいた軸川センパイを見た
「まだいたんですか…。」
「うん。」
「ま、なんでもいいですけど、私は教室戻るので」
「なら僕もついて行くよ」
「どうぞ、好きにして下さい。」
教室に戻って軸川センパイは帰って行った。
よし。
作戦開始だ
「ねぇ、綺麗」
「何?」
「アンタ生徒会長様と付き合ってるって噂流れてるよ」
「うそ。嫌だなぁ」
「付き合ってないんだ。」
「勿論でしょ。」
fin。
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