咎狗の血 小説

□温もり
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久々にあの夢を見た。

ソファから躯を起こすと窓を軽く睨み溜め息をだす。 業務の休憩中に少し横になるだけと躯を預けたら案の定眠ってしまっていたらしい。
昨日シキに散々啼かされたのだ。無理もない。
やってしまったと焦るが休憩時間内だったので胸を撫で下ろす。
「………底なしバカ総帥」
ポツリと呟く。
しんと静まり返っている室内。
雨が窓を叩き、煩い。
何故か異様に煩く聞こえる。
もう一度眠ろうか考えたが眠気は消え去っている。一度手放してしまった眠気は戻りそうにない。

「・・・・・」

ましてやあの夢を見た後だ。眠気があったとしても眠れずにいただろうが…。
なんだか無性にシキに会いたくなった。
上着を脱いでいたため慣れた動作で羽織りボタンを止める。
そして自室を後にする。


ただシキに頭を撫でてもらいたくて…


end

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