紅蓮食堂
□紅蓮食堂ミニ2
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『いつかやると思ってはいたんじゃがゾルフ君、そのＴシャツうしろ前な上に裏返し…
そこまで全力でわしの手作りＴを拒否せんでもいいじゃろう。
今日はせっかくゾルフ君の大好きな“傷の男”と入れてあるのに』
『別に私はスカーが好きなのではありません。イシュバール人が好きなだけです』
『おほほ、それが若者の間で流行っとるツンデレというやつじゃね？お客さまに喜ばれそうで結構結構。
実はもう“好きです、イシュバール人”Ｔシャツも制作済みなんじゃよ』
『非常に不本意な予定調和ですね……』
『それからゾルフ君、TOP画の時はマストで軍服の上着羽織ってね！
誰なのかもうよく判らなくなってきてるから！』
『ええ、モデルになっている私も仕上がりを見て唖然とすることが多いです。
それに今回の色味も渋さを通り越して陰気ですよね』
『ううむ、わしもなんだか仏具店のポスターみたいだなと思っていたところじゃよ。』
『蓮の花は仏教の象徴花ですしね、もう私でなく仏像でも入れたほうがよほどビジュアル的にしっくり来ますよ』
『あえて仏像とゾルフ君が並んでいてもわし的には別の意味でしっくりくるぞい』
『どうしてもそちらの方向に話を持っていきたいようですが、私は立川に引っ越したりしませんからね。
この間からやたらFAXやメールで立川の物件情報が来て迷惑しているんですよ、
あなた勝手に不動産屋に私の連絡先で登録しているでしょう』
『おほほ、なかなか便利な街なんじゃがのう』
『まあ確かに特別快速も停まりますし、丸井やルミネにロフト、伊勢丹もあって買い物には事欠かないです。
さらに世界堂もあるのが私にとっては非常に心強い。
昭和記念公園は小さいながらもウオータースライダーのあるプールもあって四季折々楽しめますよね。
あの街はもはや第二の新宿と言っていいかもしれませんね』
『ゾルフ君、もしかして引っ越し前向きに検討してる？』
『……。』
（しかしゾルフ君、一体何で世界堂そんなに利用してるんじゃろうか？）