頂き物

□紙に乗せる愛言葉
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二時限目と三時限目の間の休み時間。
自分の席から見えるのは、廊下で喋る女子の輪。黒板を綺麗にしている日直。教科書を忘れて他のクラスの友達の所に借りに行く間抜けな男子。
そして、

「綾崎、ここおかしくないかな?」
「えー…はい、大丈夫だと思いますよ」
「そっか! 良かった……」

綾崎の机の前の席を借りて、綾崎の机を独占している東宮。と、それを見守る様な目付きで見つめる綾崎。

「さっきから二人で何やってんだ」

純粋に何をしているのか気になったので覗き込んでみれば、綾崎に思い切り怪訝そうな顔をされてしまった。目からビームでも出そうな程の眼力だ。

「何ですか、いきなり」
「いや、何してるのかなーって」
「綾崎に手紙の文章がおかしくないか見てもらってたんだ。自分じゃあ気付きにくいし」
「手紙?」
「野々原さんに、ですって」
「あっ、綾崎!!」
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