Twinkle...

□真っ赤な男
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朝っぱらから真っ赤な男




「おはよー」

朝。
私は朝一番に目の前にいた男をぶん殴った。
寝起きだとは言え無意識に手が動いた事に感心する自分、痛がる男。


「いっ、てぇ」
「なんだ、ジェラルドじゃない」
「気付くだろ普通」
「ごめんなさい、頬叩いちゃった」
「お前は殴ったんだよ、グーでな」
「おめでとう、赤くなってる」
「めでたくねぇ!」

はぁ…ビックリした。
つい本気で殴っちゃったじゃない、ついさっき夢に出てきた男が目の前に居たのですもの。
え?まだ夢から覚めてないかな…
違う違う。問題はそこじゃない

「どーやって入ってきたの?」
「じゃーん」

自慢気にポケットから取り出したのは一つの鍵。
さてはコピーしたな?!
まずいつ私の家の鍵を持ち出したんだ、この男

「最低変態変質者」
「そんな褒めるなって」
「はい?」
「照れるだろ」
「だから誰も褒めてない」

馬鹿か、こいつ。
あー可愛いな、もう。ますます愛しく思っちゃうじゃない。ヤメてよ、本当に。

「ホラよ」

何故か男はそのカギを私に差し出す。返そうとしてる?
返した所で私の怒りは治まらないわよ?ザマーミロ、私で悩み苦しめばいい。

「今日はこれ渡しに来た」
「だから私の家の鍵でしょ?本当最低な人ね」
「バーカ、俺の部屋の鍵。合鍵作ったからさ」

えっ?
あ、合鍵?
聞いてないよ。…そんなの。現実?いや、夢なのかな…


「わ、私に?」
「他に誰がいるんだよ」
「シーザーさん」
「俺はホモかよ」
「冗談よ、ありがとう」

これは夢じゃない、絶対。ジェラルドに失礼よね。笑って誤魔化したけど、本当はすっごい嬉しい。
本当に本当よ?ジェラルド。

「じゃあさ…どうやって入ってきたの?」
「窓から」

「……」

その日私はこの男を二度殴る事になった。



私の彼氏は常識を知らない馬鹿男

(彼の両頬は真っ赤に腫れている!)

(*>ω<*)=⊃)3<●)グハッ

(愛情表現は限度を越えて!)





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