Twinkle...

□乙女チック
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今日も晴天。

空では鳥がピヨピヨと群れで飛び回っていて、陸ではトレーニング中の剣士や散歩中の老人の姿が目に映る。
“平和”。
今、ラジアータにはこの言葉が一番相応しい。
柄でも無いが朝から窓を開き住人観察。
窓から微かに吹く風は心地よく空気が美味しい。テアトルの4階から見渡す景色はいつ見ても絶品。特に夕方の太陽が沈む間近の景色が一番綺麗だという事は私しか知らない。

―…コンコン。

「誰です?」
「俺です、ジェラルドです」
「……何の様ですか」
「大隊長にお話しがありましてね」
「…後にして下さい」
「………―わかりました」

突然のノックにもビクリともせず面会はキャンセル。理由はもちろん、もっとゆっくり外を見たいから。…それに、こんな所を見られるワケにも行かない。
「……クス」
噴水の前で遊んで居る子供達、なんて可愛いのでしょう。思わず笑みが零れてしまう。
…この世代の子達にラジアータの未来がかかっているのですね。
花壇の花も綺麗に咲いている…、最近雨が降らないから心配していた所だったからすごく安心。

バタン!!

「大ー隊ー長!!」
「――!!!!!」
突然ドアが開き、勝手に入って来たのはジャックだった。
「…ジャック。勝手に入って来られては困るといつも言っているでしょう」
「大隊長が、外から見えたので」
「…そうですか。よく私だと分かりましたね」
「そりゃあ分かりますって」
「?」
「俺達は心と心が繋がっている…簡単に言えばテレパシーです!」
「テレパシー、ですか。」
「はい、テレパシー!」
朝から勝手に部屋に入り込んで来てついでには何を言い出すのか、この少年は。
「大隊長、俺、本気ですよ?」
「……」
何が本気なのかも分から無い私に話しを振らないで欲しいですね。
「俺、大隊長を守ります」
「……」
この少年はなんて頼もしい事を言い出すのか。
「大隊長がピンチの時は、俺飛んで行きます」
「……//」
「あっ、今照れてませんでした?!」
「太陽が眩しいのですよ」
「…ちぇーっ」
こんな少年に少しトキメいてしまった自分が恥ずかしい。
否、少年と言えとも私にとっては立派な男、かもしれないですね。

( 乙女チック )


恋すると女の子は誰だってトキメキはもちろん胸キュン、そして乙女チックになるものなのです。




ジャックとエルウェンの別話も作ってみました(短いですよ!苦手な人はさようなら。)


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