テニプリ長編

□恩返し。
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突如きた膝への衝撃。


「…落ち着け赤也。」



「柳センパイ…」





その正体は柳であった。
おかげで赤也の悪魔化も治まる。





『蓮二…っ』


柚華が泣きそうな表情で柳を見る。
その表情、そしてこの現状に眉間の皺を深くするのだった。




「…これは、酷い様だな。
聞け赤也。これは柚華がやったことではない。」


「じゃあ他に誰がやったっていうんすか!!!!!」


「恐らく…柚華が気に入らない奴等の仕業だろう。
マネージャーを辞めさせようと動いているからな。
…現に被害を受けている。」


そう言い柳は柚華の元に歩み寄り、手を取りジャージを捲った。


『ちょ、蓮二…!』


「これが証拠だ。」


焦る柚華に柳は見向きもせず赤也に真実を告げる。


「…俺、またセンパイ傷つけるとこだった…」



「まあこの姿を見て初見ならば誰しもが柚華を疑うだろうな。それが狙いなのだろう。…だがな赤也。」


柳は柚華の反対側の手を握り、静かに眼を開く。
そして冷たい視線を赤也へと向ける。



「ー彼女を傷付けるのは、いけないな。赤也」



「…!!!!」


何時もの柳ではない、それは明らかに怒りを含んでいる。低く、冷たい声に赤也は背中に汗が流れるのを感じた。


それもそうだ。
彼女がそんな事をする人間ではないことを誰よりも痛感している。
悪魔化しても、怪我をしてまでも自分を受け入れてくれた柚華。


なのに、一瞬で疑ってしまった。
その事に嘆き、膝から崩れ落ちた。



『っ、赤也…』


駆け寄ろうとするが
柳の手でそれは拒まれる。


「……」


「…すみませんでした。
オレ、疑っちまった…。
柚華がそんなことするはずねえって、分かってんのに。
最低だ、オレ。」



ポツリポツリと言葉を発する赤也に柚華は顔を歪ませる。



『赤也…ごめん。あたしが、あたしがマネージャーを辞めやんから…。あたしがマネージャーなんかやらへんかったら…』



「それはいただけないな、柚華。」


ーそうだろう、精市?



その言葉に俯いていた柚華はバッと顔を上げれば柳に呼ばれた幸村を始め、R陣がそこにはいた。
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