テニプリ長編

□恩返し。
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放課後。
それなりに頬の腫れも引いたのでいつも通り部活に向かう三人。





何事もなくいつも通りにこなす
マネージャー業務。



いつも通りに進む練習。




休憩時間になり、
ドリンクを渡しに行く柚華。


休憩時間が終わり、
空になったボトルを部室に運び
干してあった洗濯物を見に行く。


そしていつもなら綺麗になったタオルや練習着が風に靡いているはず。




『何やこれ…!!?』




唯、今日は違った。



干されていたはずの洗濯物は
全て落とされ、泥だらけとなっていた。


その上、今日は赤也のRジャージも干してあったのだ。
それだけは、1番酷く。
泥だらけな上に切り刻まれていたのだ。




『誰がこんなこと…』



そう呟いた後に柚華はハッとした。




ーマネージャー辞めないのなら覚悟しなさい。


今日の放課後。すれ違いざまに言われた言葉が脳内をよぎる。



非常にまずい。
特にRジャージをここまで酷い扱いにされた。
そのことに動揺が隠せなかった。



R陣が好きなのなら
悲しむようなことはしないはず。
否。これが自分を嵌める為なのであれば?


ー自分がマネージャーを辞めないせいでR陣に迷惑をかけている?



マイナスの考えがどんどん頭を駆け巡る。



「…柚華センパイ?」




『…!!赤也…!』




考えていると1番見られたくなかった人物。
切原赤也が手伝おうとの好意で柚華の所に来たのだ。



当然柚華の足元に落ちている自身のRジャージを目にし、絶句する。



「なんだよ…これ…!!!
まさかアンタ!!!!」


『違う赤也!話を…』


「うるせぇ!!!!」



当然だろう。
必死で練習をし、念願のレギュラーになれた赤也。
Rジャージをもらった時は泣くほど嬉しかったと本人から聞いたことがある柚華。

その努力の証。
誇り高き勲章がこのように無残な姿へと変わっているのだ。



そこに立っている柚華。
疑われるのは間違いない。





『赤也…っ!!!』



悪魔化した赤也が柚華に殴りかかろうと足を踏み出す。







ーカクンッ
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