新・紋章の謎 ルナティックプレイ記

□10章外伝 仮面は笑う
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―――――

カタリナ「…はっ!」

クライネ「どーしたのよ」

カタリナ「いや…何か、凄く嫌な予感がして…」

クライネ「何がよ」

カタリナ「…ローローが…」

クライネ「ローロー?今マルスの暗殺に行ってる?
…あんた、あいつが失敗するとでも?」

カタリナ「…」

クライネ「仮にそれが当たってたとして、さ。
あんたは何も出来ないでしょう?」

カタリナ「…」

クライネ「それに、ローローなんてたくさんいるんだから、
まさか全員殺されるって事はないでしょう」

カタリナ「…でも…」

クライネ「ん?」

カタリナ「誕生日のプレゼント…用意してきたんですけど…」

クライネ「プレゼントぉ?あのローローに?
んなもんあるなら私によこしなさいよ!」

カタリナ「やっ、やめてください!
これはローローにあげる大切なプレゼントなんです!」

クライネ「…あっそ。
別に、ローローにあげるものなんて、
大したもんじゃないでしょうし、いーわよ。別に。」

カタリナ「そ、そんな事…!」

クライネ「ほう?何あげるつもりなの?」

カタリナ「…オンラインショップで買った勇者の斧を…」

クライネ「勇者の斧!!?
…随分と、気合が入ったプレゼントね」

カタリナ「は、はい。練成もしてあるんですよ」

クライネ「練成も!?
…私と比べると、随分良いもの送るじゃない」

カタリナ「い、いえ、クライネは、こう、
女性なので、武器よりも可愛いものが良いかな〜と思って…」

クライネ「どーせ私なんかに金かけたくないって思ってるんでしょ」

カタリナ「ち、違いますよ!」

クライネ「もういいわよ」

カタリナ「そ、そんな!
今度の冬コミでBL本買ってきますから、許してください!」

クライネ「… …ふ、ふん。
まあ、私は、武器ならこのぎんの弓で満足してるし、
武器が強いだけの暗殺者とか言われるのも癪だし、いいわよ。それで」

カタリナ(それで許しちゃうんだ…)




エレミヤ「…えーっと、この前特売日で買った、
ネフェニー農園の野菜使ってるサラダどこだったかしら…」

ローロー「それ賞味期限切れかけですから、
早めに食っといた方が良いですよ」

エレミヤ「そうね。
ネフェニー農園の野菜おいしいし、食べないと勿体無いわ」



ローロー「…!
もうすぐ、本物様達の戦いが始まるっぽいですよ」

エレミヤ「あら、あなた分かるの?」

ローロー「はい。おいら達偽者ローローは、
本物様と記憶を共有してるので、今も見えるんです。本物様の見てる風景が」

エレミヤ「そうだったの…」

ローロー「…まあ、あのローローハウスなら、
いくらマルス達といえど、ひとたまりもないでしょう」

エレミヤ「そうね。ローローならきっと大丈夫ね。
あ、ごめん、そっちの味噌汁沸騰してるから止めてくれる?」

ローロー「あ、はいはい」

エレミヤ「お昼ご飯作り終わったら洗濯物もたたんでおいてくれるかしら。
ローロー達がいないから、いつもよりは洗濯物の量も少ないし、お願いできる?」

ローロー「はいはい…
はぁ。おいら一人、こんな安全な場所で家事やってていいのかなぁ…」




―――
オージェ軍


エッツェル「ふふふ…くふふふふ…」

オージェ「あ、エッツェルさんだ」

エッツェル「やあ。君は確か、近衛騎士の…」

オージェ「オージェです」

エッツェル「そうか、オージェ君か…
君、マルス様のおつきなんだろう?」

オージェ「あ、はい
そのマルス様が今いないなんて言えない…)」

エッツェル「君…
死んだ人を生き返らせる魔道を、知っているかい?」

オージェ「え?そ、そんなものが…?僕は知りませんが」

エッツェル「…伝説と言われるオームの杖があれば、
完全なる復活が可能らしいが…
実は、オームの杖がなくても、復活させる事が出来るらしいんだ」

オージェ「何ですって!?そんな情報が…」

エッツェル「ああ、マギ・ヴァル大陸の、
アーヴっていう司祭がそれを可能にしたらしい」

オージェ「よりにもよってあいつかよ…」

エッツェル「完全体ではないらしいが、
死者を蘇らせる事が出来るそうだ」

オージェ「その『完全体じゃない』って部分が不安すぎるよそれ…」

エッツェル「くふふふふ…
アーシェラを生き返らせる事もこれで…」

オージェ「生き返らせた所で、
あなたあなたあなたって言い続けるだけ
ですよ…やめといた方が…」

エッツェル「そういうわけで、そのアーヴという司祭に会いたいのだが、
何か知らないかな?君は」

オージェ「知らないです…」

エッツェル「そうか、そうか…なら、いいんだ。
待っていてくれ、アーシェラ…君との日々を…もうすぐ…くふふふふ…」

オージェ「何かオルソンみたいなエッツェルだな…」


―――――


カチュア「マルス様〜は〜どこかな〜…」

オージェ「あ、カチュアさん」

カチュア「あ!あんたはオージェ…!
マルス様の居場所知らない?」

オージェ「ぎっくぅ…!え、あ、知らないです…」

カチュア「そんなのも知らないの?
アンタは本当、マルス様の心配もしないで、こんなとこほっつき歩いて…
やっぱり、駄目近衛騎士よね」

オージェ(駄目なのはマルス様の方だよ!! …って凄く言いたい)

カチュア「もうアンタなんかに聞かないわ。他の人に…」

ウォレン「む…」

カチュア「ウォーくん!丁度良かった。マルス様知らない?」

ウォレン「いや、知らんが…」

カチュア「そっかー…
一体どこへ行ったのかなあ…」

ウォレン「そういえば…不審な噂が流れているのだが」

カチュア「え?」

ウォレン「何でも…マルス様がいなくなったとかなんとか…」

カチュア「えええ!!?」

オージェ「何だってえええ!?
誰だそんな噂流したの!!!」

ウォレン「いや、リカードの奴が何か言っていたのだが」

オージェ「あいつ次週プレイ時絶対にぶち殺してやる…」

カチュア「はん、そんな噂嘘に決まってるでしょ。
マルス様ともあろう方が、
軍を放り出して逃げるわけない
じゃない」

オージェ(カチュアさん…
見事にその考え外れてますよ…)

カチュア「そんな噂どうでもいいわ。
それなら、私がマルス様を探し出してみせる!」

オージェ(こ、これは早めに何とかしないとまずい事に…)

オージェ「リカードはどこだ!リカードは!」

ウォレン「ん?いつものように、
二軍テントでUNOをしていたが…」

オージェ「くっそぉぉぉ!!!」


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