聖魔の光石 非プレイ記

□5章外伝 砕けぬ心
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―――水城レンバール


ティラード「これはこれは、ヴァルター様」

ヴァルター「ティラード、状況はどうだ?
エフラムは捕らえたのだろうな。」

ティラード「いえ。
エフラム王子は未だ、このレンバール城北で抵抗を続けています」

ヴァルター「何、まだだと?雇った傭兵どもは何をしている?」

ティラード「あの者たちでは手に負えますまい。
エフラムは巧みに森を逃げ隠れ、地の利を生かし………
数倍の兵力をもつ傭兵隊を相手になおも生き延びております。
もはや兵はなく、護衛の騎士が数名だけだというのに………
ルネスのエフラム王子………
戦上手との噂は本物のようです。」

ヴァルター「ふん………面白い。
なかなか美味そうな男ではないか。」

ティラード(ヴァルター様の男性好きは相変わらずだな………)

ヴァルター「ティラード………早く私の前に奴を差し出せ」

ティラード「お任せを。
私に一軍をお与えいただければ、すぐにでも捕らえてみせましょう。」

ヴァルター「何か企みがあるのか?」

ティラード「私はヴァルター様の副官。
ヴァルター様のために、常に二重三重の策を用意してあります。」

ヴァルター「ほう………なら、さっさと聞かせろ?」

ティラード「はい。では………
まず私とヴァルター様はこの城を出て北へ。
森に潜むエフラム王子の行方を捜します。」

ヴァルター「だが、たやすくは見つからんぞ?」

ティラード「ご安心を。
エフラム王子の傍には………奴がおります。
いざとなれば、奴に動いてもらえば………」


―――――


エフラム「フォルデ。残りの装備はどうだ?」

フォルデ「かなりまずいですね。
武器もそうですが、きずぐすりや食料が底をついています。
あとは俺のスマホの充電も切れています

エフラム「お前のスマホの話は知らん

フォルデ「そうっすか?
援軍呼べるかとかに重要でしょう」

エフラム「その重要なスマホで
なんでゲームばっかやってたんだ?お前??


フォルデ「ああ、分かりました分かりましたから
そんなレギンレイヴを向けて殺意剥き出しで怒らないで」

カイル「………それにしても、本当にもう物資がありませんね。
近くの村から徴収すれば食料はなんとかなりますが………」

エフラム「だめだ。
いくら敵国領とはいえ、関係のない民を巻き込むことはできない。」

フォルデ「バッテリー貸してもらうこととかもできないですかね?

エフラム「じゃあお前一人で貸してもらいに行ってこい

フォルデ「あーあー、冗談ですって。
バッテリーも物資も借りたりなんてしませんよ。
そういうお人じゃなきゃ、俺たちもここまで一緒についてきませんって。
けどエフラム様。
実際問題これからどうします?」

カイル「祖国ルネスは、かなり奥まで侵攻されているようです。
噂では、王都はすでに陥落したとも………
………フォルデ、貴様がヒーローズやってて連絡を無視ったせいでな

フォルデ「だって数人しかいなかったし、
どっちにしろ援軍は出せなかったぞ?」

カイル「そういう問題ではないっ!!!
世界観を無視してソシャゲをやったりするなと言ってるんだ!!!

ルネスに何かあったらとしたら、どうするつもりだ!?」

フォルデ「だって、それならルネス兵も世界観無視して電話かけて来るなって話に」

カイル「ああもう!分かった!
この件に関してはあまり話し過ぎると作者が自爆する!
特別に許してやろう」

フォルデ(お前のその発言こそメタだろ………


エフラム「………だが、王都には父上がいる。
そう簡単に落ちはしない。」

フォルデ「でも、エイリーク様がいるんでしょ?」

エフラム「エイリークは流石にもう逃げ出してると思うが。
何故そんなことを聞く?」

フォルデ「エイリーク様、常にボケの精神を忘れなさすぎるから
いるだけでファード様のパフォーマンス落ちそうだなあって………」

カイル「お前にだけは言われたくないがな」

エフラム「とにかく、ここで敵と戦い、グラド軍の注意をそらすぞ。
父上やエイリークたちが逃れる時間稼ぎになればいい。
カイル、偵察に出たオルソンからの連絡はまだか?」

カイル「はっ!
そろそろ戻られる頃かと………」



オルソン「………ただ今戻りました、エフラム様。
付近を偵察しましたところ………
グラド兵の姿を各所で確認しました。」

エフラム「やはり、追手が来ているのか」

オルソン「はい。
猟犬を連れて歩いている者が複数名」

エフラム「猟犬か………」

オルソン「ちゃんと、フンの後始末をしていました

フォルデ「それ、散歩してる一般人じゃないですか?

オルソン「それに加え、南のレンバール城から
我々の捜索に大規模な部隊が出撃しているようです。
あまりここに長居するのも危険かと」

エフラム「そうか………」

フォルデ「さすがに、そろそろ撤退しなきゃやばそうですね。
一旦王都まで退きますか、エフラム様?」

エフラム「………いや。このまま前進する。
南のレンバール城を落とすぞ。」

フォルデ「………はあ!?」



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