新・紋章の謎 ルナティックプレイ記

□14章 明かされた謎
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カタリナ「…ん…」





クライネ「…すぅ…」



カタリナ「…クライネ」


クライネ「… …」


カタリナ「…」

クライネ「…何…」

カタリナ「…あ。起きていたんですか」

クライネ「…」

カタリナ「よく眠れたようですね」

クライネ「…まあ…ね。
…その、天使の衣のおかげよ。
決してあんたがいたからとかそういうわけじゃなくて…」

カタリナ「私があげた天使の衣のおかげですか。良かったです」

クライネ「…フン!」

カタリナ「しかし。
こうして外で一夜を明かすのは初めてですよね」

クライネ「そうね。
私は任務で失敗なんてほとんどしなかったからね。あんたと違って」

カタリナ「…クライネ、少し元に戻りましたね」

クライネ「はあ?
これがいつもの私よ。
昨日のあんたは、何か幻覚でも見てたの」

カタリナ「そうですね…
とても可愛いクライネの幻覚でした」

クライネ「…」


カタリナ「…それでは、そろそろ…
みなし子センターに。戻りましょうか」

クライネ「…分かってるわよ。
失敗した上に、一日も姿をくらませ…
もう、見切りをつけられるのは確実」

カタリナ「…」

クライネ「でも、行くわよ。

私には…もう未練なんてないから」


カタリナ「クライネ…」



―――

ガチャ



カタリナ「…ただいま…」

クライネ「ただいま」


エレミヤ「おっ…おおおおかえりなさい。二人とも」

カタリナ「! エレミヤ様…」

クライネ「…」

エレミヤ「帰ったからには、きちんと手洗いうがいをして来るのよ…」

カタリナ「…」



クライネ「エレミヤ様」

エレミヤ「…クライネ」

クライネ「申し訳ありませんでした。
私はこの度、マルス暗殺に失敗し、退散して来ました。
いかような処分でも受ける覚悟です。ご命令を」



エレミヤ「…こほん。
えー、その。クライネ、顔を上げなさい」

クライネ「…」

エレミヤ「…ま、まあ、失敗は誰にでもある事です」

クライネ「…え?」

エレミヤ「えー。そ、その。
クライネ、あなたは私が特に…手をかけて育てて来た子ですからね。
普通の子なら、すぐ処分する所ですが。
そ、そのお。 えーっと… …処分は見送ります」

クライネ「…な…」

カタリナ「…!」

エレミヤ「か、勘違いしない事ね。
あなたは、マルスを殺し損ねた使えない子。
その使えない子でもまあ…一応女だし?
いっつもローローの手料理ばっか食べても…
女性にしか出来ない事だってあるし?
よ、要するにですね。処分は見送るんです」

クライネ「そ…そんな…
本当に…よろしいのですか?」

エレミヤ「私が良いと言ったら良いのです!
それともあなたは私の命令が聞けぬと言うのですか!」

クライネ「い、いえ、そんな事は…」

エレミヤ「そ…その。
分かったらさっさと百合…じゃなかった。
手洗いうがいでもして来なさい!風邪の菌を持ち込まれては…」



カタリナ「クライネっ!!!」

クライネ「ちょ…!姉さん!」

カタリナ「これから…!
これからもまた、クライネと生活する事が出来るんですね!」

クライネ「…馬鹿。
任務に失敗して…なおかつ生き永らえる…
それがどれだけの屈辱か…
いつも失敗してるあんたには、分からないでしょう…」

カタリナ「…」



クライネ「…でも、ま、まあ…
今回は…生き永らえる事が出来て…その…
…良かった…かも」




エレミヤ「ごふうううっっ!!!

クライネ「!?」

カタリナ「え、エレミヤ様!!!」

ローロー「はぁ…オイラもうこのリーダーやだ…」

エレミヤ「く、クライネも…
よく見ると可愛く…思えて…き…た」

ローロー「エレミヤ様!
昨日も部屋を鼻血塗れにしたくせにまたですか!やめてくださいよもう!」

カタリナ「え、昨日も?」

クライネ「エレミヤ様、それは一体…」

エレミヤ「い…いいの!
あんた達はそんな事知らなくていいから…
ご、ご飯を用意して、勝手に食べてなさい…ふごっ!」

クライネ「は、はあ…」


ローロー「…まあ。
ある意味エレミヤ様がこれで、良かったのかもしれんな」


―――――


アンナ「かくして14章は終わりましたー。めでたし」

オージェ「先生何言ってるんすか…
まだはじまってすらいませんよ…」

アンナ「いやー、なんか幸せオーラを受信したので」

オージェ「なんですかそれ…」

アンナ「あんたは知らなくていい事よー。たぶん」



―――14章 明かされた謎
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