新・紋章の謎 ルナティックプレイ記

□10章外伝 仮面は笑う
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ここは、アカネイア大陸からは遠い
とある大陸の、とある村である。



ネイミー「コーマぁ」

コーマ「何だ?」

ネイミー「あのアーヴさんの本、またベストセラーだって」

コーマ「『脅威の人体復活術』か…
死んだ奴を生き返らせるなんて書いてあるらしいな。
全く、ばかばかしい。
ベストセラーとか、どんだけ多くの人が騙されてるんだよ」

ネイミー「他大陸にも売り出すんだってさ…」

コーマ「ったく…まだ、ヴァルターの書いてる鬼畜小説の方がマシだよ。
…まさか、ネイミー、お前まで死人が生き返るって言葉に騙されたりは…」

ネイミー「し、してないしてない!
ただ…死人っていうとさ。何か、リオン様を思い出しちゃって」

コーマ「エイリーク様の友人の元グラド皇子か。
魔王に心を奪われちまった… あの方を思い出すのか?」

ネイミー「うん…
思い出すたびに泣けてきちゃって…うぅ」

コーマ「おい!思い出し泣きすんなよ!
それ思い出しただけで泣いちゃうとか涙腺緩すぎんだろ!!!」

ネイミー「だって…だって…」

コーマ「まあまあ、落ち着けって…」



「あの、すいません。そこの方…」



コーマ「ん?」

ネイミー「あっ…ペガサスナイトだぁ〜…!」

コーマ「おいこらっ!
ペガサスいたら無条件で弓構えるのやめろ!
すいません、コイツ礼儀がなってなくて…」

「いえいえ」

コーマ「しかし、見ない格好だな。旅の人かい?」

「はい。私、クリスというんですが…」

コーマ「クリスか」

クリス「はい。
あの、カダインってどっちの方か知ってます?」

コーマ「…はい?」

クリス「私方向音痴なもので…
カダインがどっちの方角にあるか、分からないんです」

ネイミー「…カダイン…どこ…?」

クリス「ご存知ないですか?」

コーマ「この辺りにはそんな所ないはずだが…」

ネイミー「私にも…分かりません…」

クリス「魔道の国、として有名だと思っていたのですが」

ネイミー「魔道ですか。
それなら、ルーテさんが知っているかも」

ルーテ「私を呼びましたね

ネイミー「わぁ、さすが呼ばれたら2秒で登場するルーテさん」

コーマ「どんな移動術持ってんだよこいつ…


クリス「すいません、魔道の国カダインを知りませんか?」

ルーテ「カダインですか。
それは、アカネイア大陸のやや西に位置している国の事でしょうか?」

コーマ「は?」

クリス「そう!それです。それで、その方角は…」

コーマ「いや…あんた、
ここ、マギ・ヴァル大陸だぜ?」

クリス「へ?

コーマ「…」

ネイミー「…」

ルーテ「…」


クリス「そ、そうなんですか?
私、方向音痴なもので…」

コーマ「だからといって
大陸すら間違える奴があるかっ!!!」

クリス「ごめんなさい!
…それで、そのカダインはどっちに…」

コーマ「別大陸だって!!
ここから方角が分かるわけ…」

ルーテ「大体、あちらですね」

コーマ「え?」

ルーテ「大体、あちらの方に…
全くぶれる事のない直線を描いて飛んでいったとしたら、
カダインに着くと思います」

ネイミー「ふぇ〜…
一瞬で、そんな事まで計算できるんだぁ…」

コーマ「マジかよ…」

ルーテ「私、優秀ですから」

クリス「あちらの方角ですか。分かりました!」

ルーテ「ですが、ペガサスだけでは大変でしょう。
あちらの方角にずっと進むと、タイゼル港という港がありますので、
そこから船でアカネイアに向かうのが良いかと思われます」

クリス「はあ。なるほど…
何から何まで、教えていただきありがとうございます!」

ルーテ「かまいません。私、優秀ですから」



ここに、マギ・ヴァル大陸に迷い込んだ
クリスという一人物を登場させた理由は、後々お分かりになるだろう。


それでは、アカネイア大陸の、オージェ達の本隊に戻ろう。


―――


ブロロロロロロロ



マリス「ヒャッハァァァァアアア!!!
気分サイコーーー!!!!


オージェ「ちょっ、ま、マリスさんっ、
世界観ガン無視でバイク飛ばしすぎでしょ!!!」

マリス「しっかり捕まってなよ!
もっとスピード上げるぜ!!」

オージェ「は、早すぎる!もうちょっと…」

マリス「イエッハアアアア!!!」



―――――
ローローハウス


ローロー「…アイネ…

お前は、暗殺に向いてないんだ。


お前が、出るなんて事にならないよう…


ここで、おいらが全てを終わらせる。
アイネ…お前は、待ってろ…」



ローロー「ウキキ、本物様…」

ローロー「む、何だ。奴らが来るのか?」

ローロー「は、はい…」

ローロー「そうか。ウキキ、奴ら、必ず殺す…」

ローロー「で、ですが、情報によると、マルスの奴がいないとか何とか…」

ローロー「何!?マルスがいないだって!!?


…まあ、いいだろう。それ以外の奴を殺せば、戦力を削ぐ事が出来る。
あの、オージェとかいう近衛騎士を殺せば、
あっちは相当な戦力ダウンになるはず…」

ローロー「で、でしょうね」

ローロー「ウキキ、ところでお前、
何でさっきからそんな怯えた声なんだ?
マルス相手にお怖気づいたか?」

ローロー「そ、それが…」


―――――


ブロロロロロ


オージェ「あ、ま、前!前!!ローローハウスがありますよ!!」

マリス「かまわん!突っ込むぜ!!!
ローローハウスぶっ壊してやれええええ!!!」

オージェ「ええええええっっっ!!!?」




ローロー「…!?
な、何だ、あの猛スピードで突っ込んでくる物体は…!?」

マリス「どけどけどけー!!!」

ローロー「なんじゃありゃあ!?
くっ、こうなれば!!」



マリス「どけー・・・って、何だありゃ?」

オージェ「ま、マリスさん!手斧!!手斧がこっちに飛んできます!!!」

マリス「何ぃ!?ちょ、待っ・・・」


グサッ


マリス「た、タイヤに刺さりやがった!?」

オージェ「パンクしたあああ!!」

マリス「ちょ、くっ、そっ・・・」

オージェ「うわっ、ちょ、前、壁ええええっ!!!」



ドガッ



オージェ「ぐふぅ」

マリス「…あーあ、バイク壊れちまったよ…」



こうしてオージェ達は、ローローハウスに辿り着いた…

アンナ「どんな方法やねん




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