新・紋章の謎 ルナティックプレイ記

□7章 紅の剣士
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エルレーン『い、い、いらっしゃいませ』

マリク『うんうん、段々言えるようになってきたね』

エルレーン『く、くそっ。
金の為なら人と交わらねばならんというのか…』

マリク『エルレーン電器って店を作って、
金をもうけようって言ったのは君だろ?』

エルレーン『ふん、貴様らなんぞに協力は頼んでおらん。
ただ、店というものに興味があったから開いただけだ。
貴様らが勝手についてきただけだろうが』

マリク『だって、エルレーン、
マーモトードに店開こうとしてただろ』

エルレーン『近かったからな

リンダ『誰が死の砂漠までテレビ買いに来んのよ!!

マリク『僕らは君の事が心配で、
店員になる事を決意したんだよ』

リンダ『私だって』

エルレーン『…ふん。だが、
店というのがこんなに難しいものだとは思っていなかったな』

マリク『っていうか、店員の僕が店長の君に礼儀を教えるなんて、
本来おかしい事なんだよ』

エルレーン『だ、黙れ!俺は…』

マリク『とりあえず、次はお客さんへの応対だよ。
客が質問をしてきたら、どうするか。』

エルレーン『む…』

マリク『何か御用でしょうか?って、スマイルで言うんだよ。
笑顔が大事だよ。笑顔、えがお』

エルレーン『く、くそ、お前実は遊んでるだろ…』

マリク『まさかー』

エルレーン『…な、なにか、御用でしょうか?』

マリク『くくっ…』

エルレーン『貴様!今俺を笑ったな!!!』

リンダ『エル君可愛い!今の笑顔もっかいやって!』

エルレーン『黙れ!!』

マリク『いや、でも笑顔が一番だよ。
人間、笑顔だよ』

リンダ『そうそう。エル君の笑顔って私達はじめてみたけど、
なかなか可愛かったよ?』

エルレーン『そ、そうなのか…?』

リンダ『あー、エル君照れてる照れてるー』

エルレーン『な、何だと!!』

マリク『いやあ、エルレーンにも可愛いところあるんだねえ』

リンダ『ほんとねー』

エルレーン『き、貴様ら…後で覚えておけ…』

『すいませーん』

マリク『あっ、お客さんだよ!』

リンダ『ほらっ、出番出番!』

エルレーン『お、俺がか…?』

マリク『ほら、笑顔で接客!ね?』

エルレーン『む、むうう…』


マリーシア祖母『すいません、ここにあるテレビなのですが』

マリーシア『買いたいんですー』

エルレーン『好きにしたら良かろう』

マリク(駄目だよエルレーン!
そんなぶしつけな答えじゃ!)

マリーシア祖母『これを10000Gは少し高いと思うんです』

マリーシア『高いよー!値切ってよー!』

エルレーン『誰が何と言おうとそれは10000Gだ』

マリーシア『お兄さん!もうちょっと人情ってものを知らないの?』

マリーシア祖母『こら、マリーシア…』

エルレーン『何だと!小娘が、小癪な…
人情だと?笑わせる!
マリクが言いそうな事だ!
人情など、
そんなものは生きていくのに必要ない!


マリク(あーあーあ)

リンダ(やっちゃったよこの人)


マリク(エルレーンの前で人情はNGワードだからなー)



マリーシア『お兄さん、
そんな事言ってたら女の人にもてないよ?』

エルレーン『貴様…!この!そこに直れ!
俺がこの電撃魔法トロンで直々に…

マリク『待った待った待った――――!!!

マリーシア祖母『す、すいません!この子が変な事を言って!
ほらっ、マリーシア!もう家に帰ろう!』

マリーシア『えー』



マリク『エルレーン!今のは酷いよ!』

エルレーン『ふん、あいつが悪いのだ。
ガキの癖に人情や女の人にもてないだの御託を並べて…』

マリク『お客さん追い返してどーすんのさ!
商売になんないよ!


リンダ『何やってんのよー!』

エルレーン『うるさいな!
貴様に何が分かるというんだ!』

リンダ『何も分かってないのはエルレーンの方よ』

マリク『リンダ正論すぎる』

エルレーン『いちいち俺に口出ししないでもらえるか!』

リンダ『このっ、それ以上言うなら拳で解決を…』

マリク『まあまあ、リンダも落ち着いて』

エルレーン『拳?笑わせるな、
守備力が人一倍低いお前に何が出来るというんだ』

リンダ『なっ!守備力って…』

マリク『エルレーン!
リンダの前で守備はNGワードだ!』



リンダ『ふんだ…
どーせ私は守備力も胸も小さい女ですよ…』

マリク『ほら!
リンダがいじけちゃったじゃないか!』

エルレーン『ふん』

リンダ『エルレーンのばか』

エルレーン『ばかだと!俺の方が教養が少ないと…』

マリク『ほらほら!もう喧嘩はやめて!仲良くしようよ!ね!』

リンダ『…』

エルレーン『…』





リンダ「…それから間もなく、エルレーン電器は潰れたわ」

オージェ「そら潰れますわな




7章 紅の剣士



―――――

カタリナ「暑いです」

クライネ「本当ねー」

ローロー「オイラなんか顔めちゃくちゃ暑いんだぞ…」

カタリナ「じゃあ仮面取れば良いじゃないですか」

ローロー「そんなのオイラじゃない…」

クライネ「でもほんと、暑いわよねー…
アイネ、あおいでー」

カタリナ「はいはい、今あおぎまーす」

ローロー「このみなし子センター窓が少なすぎるんだよな…」

カタリナ「どうですか、涼しいですかー。ぱたぱた」

クライネ「駄目駄目、涼しい気がしないわ」

カタリナ「えっ」

クライネ「大体なにこれ、
町内会の宣伝が書いてあるじゃない。
ビンゴゲームとか花火大会とか…なにこの安っぽい団扇」

カタリナ「あ、これは、前にアカネイアの城下町でもらったもので…」

クライネ「こんな安っぽい団扇で扇がれても涼しくなーいー!」

カタリナ「こ、困りました…」

ローロー「アイネ、
ブリザーの書だけは使うなよ

カタリナ「わ、分かってます。」

クライネ「うーん、もう暑すぎー。
あ、そうだ。近所の川に行こう」

カタリナ「川、いいですね!」

クライネ「こう暑くちゃ、水浴びでもしないとやってらんないわよ」




ガラッ

エレミヤ「水浴びと聞いて飛んできました

ローロー「あれ、エレミヤ様は確か一つ上の階の部屋にいたはずじゃ」

エレミヤ「テレパシーしてたら水浴びという言葉が飛び込んできたので」

ローロー「受信するワードがおかしい…」

カタリナ「エレミヤ様も行くのですか?」

クライネ「エレミヤ様はお忙しいのでは?
そんな、無理に私達に付き合わなくとも。
大体、エレミヤ様の部屋は、冷房完備じゃなかったでしたっけ」

エレミヤ「い、いま冷房は壊れているのよ。
だから、水浴びにくらい行きたいなー、と」

クライネ「はあ」

エレミヤ「命令よ。私も行かせなさい」

クライネ「はっ、エレミヤ様の命令とあらば…」

カタリナ「しかし、どうして?」

エレミヤ「お、お人形なんかにそんな事を話す理由なんてないわ」

カタリナ「あ、そうですね…すみません」

ローロー(本当、素直じゃない人だなー)


ガーネフ「あの…わしも…

エレミヤ「が、ガーネフ様もですか?」

ガーネフ「わしも…行きたい…」

エレミヤ「ガーネフ様もまだまだ元気なのですね。
分かりました、一緒に行きましょう」

ガーネフ「ふぉふぉふぉ…水の中で戯れる
お前らの姿が、目に浮かぶわい…」

ローロー(笑い方怖いけど、
言ってる事はただの変態
だな…)

エレミヤ「さあ、それでは皆で、行きましょう」

ガーネフ「ふぉふぉふぉ…わしもまだまだ現役じゃ」

ローロー(あんたもう死んでるだろ…)


―――――


近所の川

クライネ「喰らえー!水鉄砲!!」

カタリナ「あっ、やめて下さいよ!」



エレミヤ「やだ、何ここ。天国じゃん

ガーネフ「若い者はええのう」

ローロー「…まともな保護者はオイラだけか」



エレミヤ「よ、よーっし、私も着替えた事だし、
久々に水に入る事にしましょう。
あ、アイネの水着をもっと間近で…ハァハァ


ローロー「エレミヤ様、何しようがかまいませんが、
鼻血出したまま川に入るのはやめて下さい。
川が汚れます

エレミヤ「ど、どうすればいいの…?
鼻血出さずに一緒に遊ぶとか絶対不可能よ?」

ローロー「当然のように言わないで下さい…」

ガーネフ「それじゃあわしが、
ルナでAに上がった杖レベルを駆使して…
鼻にMシールドかけとくから、
それでしばらくは大丈夫じゃろう」

エレミヤ「あ、ありがとうございます!」

ローロー「史上最悪のMシールドの使い方だな…」



クライネ「あ、エレミヤ様!こっちです!」

カタリナ「エレミヤ様っ、あの…」

エレミヤ「な、何?アイネ…」

カタリナ「い、一緒に泳ぎましょうっ!」

エレミヤ「ぶごほぉっ!!!


ローロー「あーっ!!Mシールド破れたー!!!」

ガーネフ「こうもあっさりとMシールドを破るとは、
物凄い愛じゃの」

ローロー「嫌だ…こんなエレミヤ様嫌だ…



カタリナ「え、エレミヤ様大丈夫ですか!?
鼻血が!鼻血が!!」

クライネ「お、お気を確かに!!どうなされたのですか!?」

エレミヤ「き、気にしないで…
じ、持病なの…ふふ…」

ローロー「ある意味持病で合ってるがなこの場合…」

ガーネフ「しかしエレミヤもしょうがないのう、全く…」

ローロー「もう死んでるのに
女達の水着見に川に来るアンタもアンタ
だよ…」



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