新・紋章の謎 ルナティックプレイ記

□3章外伝 暗躍する影たち
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―――

がちゃ



カタリナ「た…ただいま」

ローロー「ウキキ、おかえりー」

カタリナ「良い匂い…
…ローロー、この良い匂いは…何ですか?」

ローロー「ウキキ、ローロー兄弟特製シチューを作らせてるんだよ。
今日はオイラの兄弟を何人か呼んで作らせてるから作業能率もアップだ」

カタリナ「…」

ローロー「どうしたよアイネ。
エレミヤ様に言われた事気にしてんのか?」

カタリナ「…エレミヤ様だけじゃないです…
クライネにも…散々言われました」

ローロー「ウキキ、まあ何もしなかったのはお前だから、
しょうがないのはしょうがない」

カタリナ「…」

ローロー「家から逃げたかっただけなんだろ?」

カタリナ「!」

ローロー「まあ、お前も色々あるとは思うけどさ。
これだけは言っといてやる。
お前は、この組織の恥かもしんないし、クズかもしんない。
だが、ここは『お前の家』だ。おいらはそう思っている」

カタリナ「ローロー…」

ローロー「何だよ、泣くなよー…
どうせ泣くならエレミヤ様の前で泣けよー」

カタリナ「そんな事したら…
またクライネみたいに…疎ましく思われます…」

ローロー「いや、エレミヤ様はクライネと違って…
お前に対する態度は愛情の裏返しというか何というか…歪んだ愛情というか…」

カタリナ「エレミヤ様は私が嫌いなんです…
私を追い出したいんです…
だからあんな事を言うんです…
私は恥…ですから…」

ローロー「…何か、励まして欲しそうだけどな、無理だぞ。
おいら達は昔っからこの仕事やってきて、
いっつも兄弟で襲えば絶対成功するから、今まで何も言われてこなかったよ。
お前よりずっと仕事成功してきたし、だから恥とか、
おいらには良くわかんないし、お前に言える言葉も何もない」

カタリナ「…でも、ローローは…何も言わないでくれます…」

ローロー「え?」

カタリナ「…もう、何か言われるのはたくさんです…
何も言わないでくれるから、私はローローを頼れます…」

ローロー「…そーかい、そりゃあ良かったな。

カタリナ「ローローは優しいです…
みんなからは畏怖の目で見られてるけど、本当はとても優しい人です…
私は知っています…そんなローローの優しい所を…」

ローロー「…何か面と向かってそう言われると、照れるんだが…」

カタリナ「仮面だけに」

ローロー「…こいつ、なかなかやるな。ウキキ」

カタリナ「ふふ…ありがとうございます。おかげで…気が楽になりました」

ローロー「そうかそうかー。そりゃーよかったねぇー。

…しかしなんだ、クライネは確かにお前を嫌ってるとしか思えないが…
エレミヤ様の言う事は、本当に気にしない方が良いぞ?」

カタリナ「どうしてですか?」

ローロー「…どうして、って…
まあ、言わない方が良い、か…
お前の見てない部分で、お前はエレミヤ様に愛されてるんだぞ」

カタリナ「そうなんですか…?」

ローロー「まあ、
今からエレミヤ様のもとに行くから、見ておけ」

カタリナ「嫌です…エレミヤ様に今会うの…怖いです…」

ローロー「…なら良いが…」



―――
エレミヤの部屋


ローロー「エレミヤ様―」

エレミヤ「ぐふっ…
ろ、ローロー、よ、よくやった…GJ


ローロー「!!!
どうしたんですか、その多量出血は!!
大体予想つきますが

エレミヤ「ぐぅぅぅ…
ちょ、ちょっと輸血が必要なくらいの鼻血を流してしまってね」

ローロー「やっぱり…
ホントこの人のカリスマ崩壊具合は異常だわ…
エレミヤ様は杖使えますが、
あなた自身が血出してちゃどうしようもないでしょ…
替えのティッシュ持ってきましたからこれで早く鼻塞いで下さい…」

エレミヤ「うぅ…監視カメラで
ローローに励まされるアイネを観察してたら…
予想以上の…破壊力だった…」

ローロー「そんな事したんですか…」

エレミヤ「『何も言わないでくれます…』の辺りで涙拭った所で…
この通り限界でしてね…
ふふ…ローロー、GJ」

ローロー「GJ言われましても…っていうか、
そんだけアイネ好きならそろそろ素直になったらどうですか」

エレミヤ「無理よ…!
あんな事あの子に言った手前…
今更『アイネうわぁぁぁぁぁぁん!!!』
とか言って謝る事も出来ない
じゃない」

ローロー「だから言ってる事おかしいですって…
なんですかその謝り方…」

エレミヤ「頼むわよ…
貴方がこれからアイネの支えになって…」

ローロー「あいあい、分かりました」

エレミヤ「アイネの色んな表情私に見せて…

ローロー「それが目的ですかい…
ホントどういう思考してんだこの人…」



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