聖魔の光石 非プレイ記

□5章 帝国の影
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――――――――――

エイリーク「てなわけで、ジャハナ王子を加入させました」

ヴァネッサ「さらっとド級のネタバレすんのやめてくれます?

ゼト「残った敵は我々の取るに足りない雑魚です。
このマップでは闘技場が使えますが、どうなさいます?」

エイリーク「ただでさえ難易度低いのに
そんなものを使うことはありません。
とりあえずボスをぶっ倒しましょう。」

ゼト「承知しました!その首、もらい受ける!」

ザール「グワーッッ」



エイリーク「ふう、危ないところでしたね。」

ナターシャ「は、はい、ありがとうございます。
なんとお礼を申し上げてよいやら………」

ゼト「貴方はグラドの人間か?」

ナターシャ「はい。ナターシャと申します。
グラド帝国の神殿で、皆様の手伝いをさせていただいておりました。
ですが、少し前に………私の師である司祭様が、突然捕らえられてしまいました。」

エイリーク「グラドの司祭様………?
もしかして、マクレガー司祭ですか?」

ナターシャ「はい………!ご存知なのですか!?」

エイリーク「ええ。
昔、兄上と私とリオンは、共にあの方にご指導を受けました。」

ナターシャ「え、リオン様と………!?」

ゼト「エイリーク様」

エイリーク「別に良いでしょう。
何となくわかると思いますが、私はルネス王女エイリークです」

ナターシャ「ルネスの王女様………!!?
そ、そうだったのですか………!申し訳ありません!」

エイリーク「謝る必要はありません。
貴女はグラドの人間なのですから。
話し方もそのままでいいです。
それで、マクレガー司祭は、何故捕らえられたのですか?」

ナターシャ「………動物虐待の罪。
そう言われ、司祭様は捕らえられてしまいました。」

ゼト「やっぱり悪法ですね、グラド生類憐みの令」

ナターシャ「ですが、それは濡れ衣です。
司祭様は、陛下に口を封じられたのです。」

ゼト「口封じ?」

ナターシャ「………」


――――――――――


――― 一週間前 グラド城牢獄


ナターシャ「………司祭様。食事をお持ちしました」

マクレガー「ナターシャ………もうよい。
ここに来ていると、お前まで虐待罪を疑われるかもしれんぞ」

ナターシャ「司祭様は、動物虐待などなされる方ではありません………
迷える人間も、迷える動物をも、誰よりも気遣っていた方ではありませんか。
それが投獄などされてしまったのは、何かの間違いなのでしょう?
きっと、何か誤解が解ける方法が………」

マクレガー「………明日」

ナターシャ「えっ?」

マクレガー「明日、わしの処刑が行われるそうだ。
もう、止めることは出来ない。」

ナターシャ「!!!
そ、そんな………!!ああっ………神よ………!」

マクレガー「………」

ナターシャ「どうしてですか!?
実際に行っていない虐待の罪に問われ!
投獄された挙句に、どうして処刑なんて………!ああっ!!!」

マクレガー「………」

ナターシャ「何かの間違いです!!!私、陛下を………説得しに………!」

マクレガー「やめろ!
………今の陛下は、変わってしまわれた。
だから私は投獄されたのだ。
説得が通じることは、恐らくないだろう」

ナターシャ「ならば、皇子に………!」

マクレガー「皇子も同じだ。陛下にただ従っている。
………ナターシャよ………」

ナターシャ「こんなっ………
こんな法っ………あっていいはずがない………!!!
私はこんな………こんな事をする!
………こんな事をするグラドに、仕えていた訳では無い………」


マクレガー「ナターシャよ。落ち着いてくれ」

ナターシャ「落ち着いてなんて………いられません!
だって………マクレガー司祭様は………誰よりも………
私の知る中で、誰よりもグラドの為に貢献なされたお方です………」

マクレガー「ナターシャ………そう思うのならば………
いてもたってもいられない、そう、お前が言うのならば………
今から、わしの話を、よく聞いてくれ」

ナターシャ「………?」

マクレガー「陛下は、各国の『聖石』を破壊しようとしている。
今回のルネス侵略も、それが目的だったようだ」

ナターシャ「………!!?聖石を、破壊!?
そのような事をしたら………」

マクレガー「世界には、魔物が蘇るかもしれぬ。
………陛下は、グラドの聖石は、既に破壊なされたようだ。
放っておけば、他の国の聖石も破壊されることになろう。
………誰かが、それを止めねばならぬ」

ナターシャ「司祭様………!」

マクレガー「………そう。誰かが………」


ナターシャ「分かりました」

マクレガー「………」

ナターシャ「私………この事を………伝えてきます。
………他の国に」

マクレガー「本当にするつもりか?
知られれば、ナターシャも無事では済まないぞ」

ナターシャ「いえ。
………私がやらねばならない。
今、そう思いました。
私が………グラドの為に出来る事といえば………
それくらいしか………」


――――――――――


エイリーク「聖石を破壊………そんな事が」

ナターシャ「ご存知のように、『聖石』は、
かつて魔を退け世界を救った守護石として、
現在でも主要な国々の至宝とされています。
私たちのグラド帝国に一つ、あなた方のルネスにも一つ」

エイリーク「ええ。
確かに我がルネスにも『聖石』が奉られています」

ナターシャ「陛下は、それら五つの聖石を 
ことごとく破壊しようとしているらしいのです」

ゼト「なぜそのようなことを?
聖石は、我々の国を守る大切な守護石だとか聞いている」

エイリーク「どっかの国王は芸に使ってた気がしますが

ナターシャ「私には………わかりません。
温厚だった陛下は、ある時人が変わったようになってしまわれました。
司祭様は死の直前に私におっしゃられました。
聖石を持つ国々に、このことを伝えねばならないと。
私はひそかに国境を抜け出そうとしたのですが、兵士に見つかってしまい」

エイリーク「そうだったのですか………
………ゼト。どう思います?」



ゼト「エイリーク様以外の御話を聞くのに慣れてないので聞いてませんでした

エイリーク「マジで刺しますよ

ゼト「流石に冗談です。
彼女はグラド帝国の者。
話をうのみにすることはできません」

ナターシャ「うぅ………」

エイリーク「ですよね。私もなんか怪しいと思います」

ナターシャ「そ、そんな!これは本当の………」

ヴァネッサ「まあまあお二人とも………
確かにうのみにはできませんが、
もし今のが事実であれば、無視できる話ではありませんよね?
聖石を破壊するなんて、あってはならないことでしょう」

エイリーク「それもそうですね」

ヴァネッサ(この人たち、本編と性格違うから
私が戻してあげないと話進まないよ………)

ゼト「エイリーク様、信じるのですか?」

エイリーク「まあヴァネッサが言ってますし」

ヴァネッサ「なんか信頼を寄せられてる!?

エイリーク「なんだかんだ信頼してますよ。
主にゼトのせいで進まない話を修正してくれてありがとうございます」

ヴァネッサ「あ、有難き幸せ………?」

ゼト「なんか私に辛辣な一言があったような。」

エイリーク「当たり前でしょう」



ヴァネッサ「そ、それにしても。
グラド皇帝は一体、何を考えているのでしょう?
なんだか嫌な予感がします………」

村人「お待ちください。
あなた様はもしや、王女エイリーク様では!?」

エイリーク「? はい」

村人「うおーっ!!本物だ!!!
わ、私、大ファンでして!!サインお願いします!!!」

ゼト「エイリーク様に勝手に近づくな!」

エイリーク「こういう時に頼れるのだけ唯一の救いなんですが」

ゼト「貴様のような平民が、
エイリーク様直筆のサインなど貰えると思うな!!!


エイリーク「こういう余計な一言言っちゃうんですよねえ」

ゼト「代わりに私のサインをやろう。『聖騎士ゼト』

ヴァネッサ(いらねえ………)

村人「ど、どうも………
そ、そんなことより、先ほどは我々をお助けいただき、
ありがとうございました!
あのザールは、私たちルネスの民にもそれはひどい迫害を」

エイリーク「この街でそんなことが………
兄上と私とリオンが共に過ごしたこの街で………」

村人「大量の猫を連れてきて、我々をモフモフの刑に………」

ヴァネッサ「その迫害、受けたいな!?

エイリーク「すみません。
あなた方に何もしてあげられない私を、どうか許してください」

村人「よろしいのです、エイリーク様。
今は耐え、後に再起を成し遂げていただければ。
いつの日かエフラム様と共に、
あなた様がルネス再興をなされること。
我々はその日が来ることを、心よりお待ち申し上げております………」

エイリーク「ありがとうございます。
今の私では何もしてあげられませんが、どうかお許し………」

村人「つまらないものですが、導きの指輪をどうぞ」

エイリーク「サイン5枚くらい書いてあげますね。
あと握手もします


村人「マジでーっ!!?」

ヴァネッサ「台無しだよ!!!

ゼト「エイリーク様、私とも握手してください。」

ヴァネッサ「このオタク聖騎士ほんと恥ないな!
むしろ清々しいよ!


エイリーク「指先を合わせるくらいなら」

ヴァネッサ「E.T.かよ!

ゼト「有難き幸せ………この手、洗わないでおきます」

エイリーク「感染拡大防止のため、それはやめてください」

ヴァネッサ「時事ネタ!!!


アンナ「中々良い具合に突っ込めるようになってきたわねー。
これからが期待だわー」

ヴァネッサ「も、もうこの仕事やめたい………
戦いだけに………集中させて欲しい……………

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