聖魔の光石 非プレイ記

□3章 ボルゴ峠の山賊
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エイリーク「ここまでのあらすじ。
ゼトのわがままでボルゴ峠にハイキング」

ギリアム「こんなことしてる場合なのでしょうか………」

ゼト「この辺にバズバ山賊団の根城があるようです。
腕輪を盗んだあの少年が、この先へ入っていったのを見た者もいます。
おそらくあの少年も、バズバ山賊団の一味だったのでしょう。」

エイリーク「山賊ですか。
村を焼き物を奪う、あのような蛮行が我が国で行われていたなんて。
物騒ですねー」

ゼト「平時であれば、我々騎士団が賊を討伐し領内の村々を守ってきました。
ですが今、ルネス軍は崩壊し、領土は治める者も無く野放しになっています。
ルネスを制圧したグラド軍が新たに統治を行っている様子もありません。
このままではルネスは乱れ、荒れ果てていくばかりでしょう。」

エイリーク「嫌な話ですねー全く」



ネイミー「あ、あのぉー」

エイリーク「うん?」

ネイミー「うっ、すみません、ふぁっ、
もしかして、傭兵団の、方々、でしょうかっっ、うっ」

エイリーク「泣くの早くないですか?

ネイミー「いえ、違います!
花粉症なんです、私!へっくち!」

エイリーク「花粉症は辛いですよね。
気持ち、わかりますよ。私はヒノキが辛いです」

ネイミー「私は………スギです………」

エイリーク「スギ花粉にヒノキ花粉、どちらも辛い花粉ですよね。
そうだ、マスクを持っているので、一枚お譲りしましょう」

ゼト「急に優しくなられましたね」

エイリーク「失礼な。
花粉に苦しむルネスの民に優しくするのは王女として当然の事です」

ゼト「はっ」

ネイミー「ありがとうございます………」



ゼト「で、スギさん。何か御用でしょうか」

ネイミー「私はネイミーですっっっ!!!

エイリーク「ボケが古典的すぎ。マイナス10点。
花粉症を軽く見る発言で更にマイナス15点」

ゼト「いやはや、手厳しい」

ヴァネッサ「あの、この少女のお話聞いてあげません?」

ネイミー「そ、そうだった!お願いです!コーマを助けてください!!
わ、私あぶないからやめてって言ったのに、コーマが一人で………」

エイリーク「ほら、落ち着いて下さい。
ティッシュあげるから、とりあえずこれで色々拭いて」

ネイミー「あ、は、はい………ありがとうございます………」

ゼト「エイリーク様、私にも一枚下さい」

エイリーク「断ります」

ゼト「いや、私も花粉症でして、実は」

エイリーク「じゃあ別の人から借りて下さい」

ゼト「態度厳しくなってませんか?」

エイリーク「厳しくならない方がおかしいと思いませんか?」



フランツ「ぜ、ゼト将軍っ!
よろしければ僕がいつも5袋くらい所持してるポケットティッシュをどうぞ!」

ゼト「要らぬ」キッパリ




エイリーク「さて、落ち着いて話して下さい。ネイミーでしたか?」

ネイミー「は、はい、私………ネイミーと言います。
この近くのラクの村に住んでいました。
い、今はもう村はないんですけど………」

エイリーク「ない………って事は」

ネイミー「バズバ山賊団に村を焼かれて、コーマと私だけが逃げてきたんです。
他の人たちはみんな、山賊に襲われて………」


ゼト「あの」

エイリーク「ゼトはちょっと黙ってて下さい

ゼト「いやあの、君はどうしてここに?って聞こうとしただけなんですが」

エイリーク「あぁ、失礼しました。」

ゼト「私の発言に警戒しすぎじゃないですか?」

エイリーク「前章までの言動と行動を見てたら仕方ないと思われますよ」

ゼト「はあ、面目ない。」

ネイミー「あ、あの、それで、この山の奥に、バズバ山賊団のアジトがあるんです。
それでコーマが………あ、コーマは私の幼なじみなんですけど。
彼が、山賊に奪われた宝を盗み返してやるんだって」

エイリーク「たった一人でですか?」

ネイミー「は、はい、ですから私止めたんですけど、聞いてくれなくて。
コーマまでいなくなってしまったら………わたし………ぐすっ………」

エイリーク「ああ、また花粉が悪さを。
大丈夫です。花粉症はこの『ルネスFX』を飲めばきっと良くなりますよ。
安心してください、二人で花粉症に立ち向かいましょう」

ネイミー「あ、ありがとう………ございます?」

ゼト「あの、今のは多分素で泣いたんだと思いますが」


ガルシア「しかし聞き逃せない話だな。
山賊団の下に向かった少年の友人。
これは、助けてあげるのが筋というものでは」

ネイミー「ほ、本当ですか?
私、お金はあまり持ってないですけど、
でも、私にできることなら、何でもしたいと思います………」

ゼト「ほう、何でも、と言われましたか?

エイリーク「ゼトは黙ってて下さいって言いませんでした?

ネイミー「で、でも、本当に良いのですか?」

エイリーク「その少年が山賊団の根城にいるのなら、
ネイミーと私たちの目的地は同じです。
それに、ネイミーたちはルネスの民であり、花粉症患者です。
だから、せめて彼女を助けたいのです。」

ロス(あんた花粉症に何かトラウマでもあんのかよ………

ゼト「承知しました。ネイミー、案内を頼めるだろうか。」

ネイミー「は、はい、こっちです………」
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