聖魔の光石 非プレイ記

□5章 帝国の影
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エイリーク「というわけでグラド兵に応戦します。
ただ、この章もまだ序盤ですので、大したことはないでしょう。」

ゼト「ですね。ただ、村訪問は確実に行わねばなりません。
1ターン目、5ターン目、7ターン目に山賊の増援が出ますので、
それなりに急いで進軍しないといけません


エイリーク「1ターン目に右から出てくるこの顔有り山賊、
割かしステータスが高めなので厄介なんですよね。」

ゼト「まあでも、ヴァネッサ殿等で先に村を訪問しておいて
あとは味方の集中攻撃等で倒せば、どうということはないでしょう。
ヴァネッサ殿、頼んだ!」

ヴァネッサ「はい!」
(ああ、戦闘中が一番真面目にやってくれるから一番楽だわ………)



――――――――――


―――村の民家


ヴァネッサ「こ、こんにちは」

テティス「あら!こんにちは。
私の踊りを見にきてくれたのかしら?
ごめんなさいね。ついさっき終わっちゃったところなの」

ヴァネッサ「い、いえ。別にそういう訳では」

テティス「あら………
あなた、可愛い顔してるじゃない。」

ヴァネッサ「か、かわっ……!?」

テティス「あなたみたいな可愛い子も
私の踊りを見に来てくれるなんてね。
嬉しいわ………」

ヴァネッサ「じょ、冗談はやめてください。
可愛いなど………
ち、近っ!?」

テティス「せっかくだから、サービスで
追加で踊っちゃおうかしら?至近距離で………」

ヴァネッサ「け、結構ですっ!!
そもそも、私は踊りを見に来たのではなく。
外に山賊がいるので、注意してください!
と、伝えに来たんですよ」

テティス「あら、本当!ありがとうねぇ。
でも、踊りを見に来たんじゃないのね?
ちょっと残念だわ。」

ヴァネッサ「は、はい。それでは………」


テティス「ねぇ……本当に踊り、見て行かない?
特別な踊りを踊ってあげてもいいわよ………」

ヴァネッサ「け、結構ですってば!
それに何ですかその、特別な踊りって!」

テティス「この『ファーラの力』というアイテムを持って
踊ると、あなたの攻撃力が上がるのよ………」

ヴァネッサ「本当に特別な踊りだったー!!!
そ、それも結構です。
その、そういうルールに反するのはちょっと」

テティス「あら、そうなの。
あ、そうだ。それじゃあ、このアイテムいらない?
さっき、お金持ちそうなお客さんがおひねりに置いてったの。
これって売ればちょっとしたお金になるし
使えば丈夫な体になれるんだけど、
あたし一人じゃこんなに持ちきれないわ。
だから一つあげる。
良いことがあった時には、まわりにも分けてあげないとね。」

ヴァネッサ「あ、ありがとうございます。」

テティス「それじゃ!
縁があったらまた会いましょうね。」

ヴァネッサ「竜のたて………これは重要なアイテムです。
報告してこなくては。」


――――――――――


エイリーク「どうでした?村は大丈夫でしたか?」

ヴァネッサ「はい。
あ、それと!こんなアイテムを貰いました!」

エイリーク「竜のたて!これは貴重ですね。
ありがとうございます、ヴァネッサ。
さて………丁度山賊も倒しましたし、次はあの剣士の説得です。」

ナターシャ「わ、私が行きます!
私の話なら、たぶん聞いてくれると思います!」

エイリーク「でも、彼はキルソードを持っています。
迂闊に近づけば、危険でしょう。
ですのでゼト、出番です」

ゼト「はっ!あの剣士を屠ってくるのですね!」

エイリーク「いいえ、攻撃をしてはいけません。
ゼト、槍を全て差し出しなさい。」

ゼト「はい………?」

エイリーク「ゼトに命じるのは、
丸腰であの剣士のキルソード攻撃を受け止めることです。


ヴァネッサ「鬼畜ー!!!

エイリーク「でも、ここは基本そう攻略するものでは?」

ヴァネッサ「いやまあ、そうなんですけども………」

ゼト「そんなー、流石に痛いですよ。
そうだ!その竜のたてを使わせていただけるなら」

エイリーク「初期上級職にドーピングなんて使わせる訳がないでしょう。
ほら、行ってきなさい」

ゼト「そ、そんな! 大丈夫です、使うコマンドは使いません。
ただ、敵の攻撃を防ぐ用途としてその盾を使えば………」

エイリーク「ゲームなのでそんな使い方はできません。
黙ってさっさと行ってください」

ゼト「人使い荒いんだから……」

ヴァネッサ(確かに、竜のたてってどうやって『使う』んだろう………?)


――――――――――

ヨシュア「………くそっ、結局4戦1勝かよ。すっちまったぜ」

兵士「傭兵!貴様、闘技場で何をしていた!?
さっさと持ち場に戻らんか!」

ヨシュア「あんたも一戦どうだい?いい修行になるぜ。
何せ命賭けの戦いだ。勝てば結構な稼ぎになるしな。」

兵士「隊長に報告する!貴様の報酬は減額だ!
貴様のような薄汚い傭兵など、
いくらでも代わりはいることを忘れるな!」

ヨシュア「あーはいはい、分かった、覚えとくよ。
さて、今日のツキは………と。
裏、か。
やっぱりついてないらしいな………

………とりあえず、適当にあそこにいる丸腰の騎士でも倒しておくか。」


――――――――――


エイリーク「まんまと引っかかりましたね。」

ゼト「私は必殺の一撃を受けて瀕死ですが。」

エイリーク「生きていれば問題ない、です。
さあ、ナターシャ、説得の時です。」

ナターシャ「はい!」


――――――――――


ナターシャ「………あ、あの!!
あなたも、私の口封じに雇われたのですか?」

ヨシュア「ああ。グラドに頼まれた。
あんたを始末しろってな。悪く思うなよ。」

ナターシャ「待って下さい!私はどうなってもかまいません。
ですが、伝えて欲しいのです。
今のグラド帝国は、以前とは変わってしまいました。
この危機を他の国々に知らせなければ、大陸から光が失われてしまうのです」

ヨシュア「悪いが………俺は傭兵なんでな。
グラドがどうとかには興味ねえんだ。
あんたが正しいのか間違ってるのかも、どうでもいい。」

ナターシャ「そんなっ!」

ヨシュア「とはいえ………確かに、あんたみたいな美人をやるのは後味が悪い。
なああんた、賭け事は好きかい?
俺はこいつが何より好きでな。
いくら負けてもやめられねえ。
賭けなよ。
あんたが勝ったら、俺はあんたを信じるぜ。
表か裏か………どっちだい?」

ナターシャ「な、何を?
そのような事をしている場合では!」

ヨシュア「なら、仕事に戻った方がいいか?」

ナターシャ「………お、表!
いえ、裏です………」

ヨシュア「よし。
なら俺が表、あんたが裏だ。
行くぜ。

………あ」

ナターシャ「ど、どちらですか?」



ヨシュア(手が滑って、コイン落とした………
どうしよう………本当についてない………


ナターシャ「あ、あの?」

ヨシュア「え、えーと………」

ナターシャ「えーと………?」

ヨシュア(く、クールに振る舞え、俺………)


ヨシュア「………こ、コインは無くなった」パッ

ナターシャ「え………?落としたのですか?」

ヨシュア「そ、そういうんじゃねえ。消えちまったのさ。コインが。
いやぁ、コインが消えちまったら、この勝負は判定できねえな。
さて、どうしたもんか………」


グラド兵「あ!コインが落ちてるぞ!ラッキー」

ヨシュア「俺が素敵な言い訳をしてる時に
都合悪く現れるんじゃねぇこのドアホ兵がーっ!!!」ズバアァァ


グラド兵「ぎゃああああーっ!!!!!」

ナターシャ「!?」



ヨシュア(し、しまったあぁ〜っ、つい………)

グラド兵「き、貴様、さっきの傭兵………
せ、せっかく、ザール隊長に報告したら
『闘技場くらい若いなら行くだろ!それくらい認めてやれ!』
と、減額が帳消しになったのを、伝えに来たのに………」

ヨシュア(隊長、割といい奴だった………

グラド兵「ザール隊長の厚意で、せっかく減額を免れたのに………
裏切るつもりか………ぐふっ!」

ヨシュア(こういう時に限ってうっかり必殺の一撃出しちゃうんだもんなぁ………
これまたついてねえ………)


ナターシャ「………」

ヨシュア「………」

ナターシャ「あ、コイン、やっぱり落とされてたんですね………
それに、グラド兵を、斬ったのは………」

ヨシュア「………あーもう!マジでついてねえ!!!
分かった!分かった!!!
あんたの勝ちって事にしといてやる!!!」

ナターシャ「ほ、本当ですか………!?」

ヨシュア「………イカサマはやっても、
賭けを反故にはしねえのが俺の主義だからな!」

ナターシャ「今の、イカサマだったんですか………?
コインを落としたのが………」

ヨシュア「うるせえ!これで文句ないだろ!!?」

ナターシャ「あっ、は、はい!!!
ああ、神よ………!あなたのご加護に感謝いたします。」

ヨシュア「………あ、あのな。」

ナターシャ「はい!」

ヨシュア「さっき、俺がコインを落っことしたのは、秘密にしておいてくれよ?」

ナターシャ「はい!秘密ですね!」

ヨシュア(………はあ、よりによって
こんな時に決まらねえなんて、やっぱついてねえな………)
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