新・紋章の謎 ルナティックプレイ記

□16章 王都奪回 & 16章外伝 再会
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―――――

アリティア城内


シーダ「そういえば」

マルス「ん?どうしたんだいシーダ(キラッ)」

シーダ「この前の、マルス様にスマイルを教えてくれたという…」

マルス「ああ(キラッ)あれか(キラッ)
丁度良い、オージェも聞いていてくれ」

オージェ「何ですか…」

マルス「僕の身も心もイケメンにしてくれた人のことをさ(キラッ)」

オージェ「何だそれ…
あまり聞きたくないんですけど…」

マルス「あれは、五年くらい前だったかな…」


―――

―――5年前


マルス『…』

リーザ『マルス。
今日は他大陸から、とても偉い人が来訪なされるのよ。
失礼のないようにね』

エリス『母上の言う通りです。
マルスは、挨拶も出来ない子ですから…』

マルス『挨拶くらいするよ!失礼だな』

エリス『…でもねえ。
あなた、もう少しその内気な性格を、何とか直さないと。
いつかあなたは、アリティアを担う王となるのですよ。
人と喋れるくらいには…』

マルス『喋れるよ!』


リーザ『あっ。来るみたいです…
マルス、エリス!お父さんの隣に行くのです!』

マルス『はーい』トテトテ

エリス『分かりました』




ギィィ…


エリス『あの人が…
エレブ大陸、リキア王国の指導者、ロイ様?』

リーザ『…に、しては何か…違う気が…』

コーネリアス『…?
リキア王国のロイ殿は…
赤い髪をした少年と聞いたが…』



『あっはっはっは、申し訳ございません』


マルス『!?』


『申し遅れました。
僕の名前はクレイン。以後、お見知りおきを(キラッ)』


コーネリアス『クレイン…?』

リーザ(無駄にスマイルが輝いているわね…)


クレイン『いやあ、ロイ様が、
「めんどくさいからお前行って来い」と言うので、
僕が来てしまいましたよ(キラッ)』

リーザ(どんな王や…)

マルス『…!』

クレイン『君がマルス王子だね(キラッ)
ぼくはクレイン、よろしく☆(キラッ)』

コーネリアス『どういう事なのだ?』

クレイン『ロイ様はご用事があられるようで。
私が代わりに…大陸間の親交の証に、これを渡しに来ました(キラッ)』

コーネリアス『…これは…?』

クレイン『これは「はがねの大剣」
由緒ある品なんですよ(キラッ)』

コーネリアス『由緒ある…?
ただのはがねの剣に見えるが…』

クレイン『ところが、これはただの剣ではございません。
こちらのエレブでは、千年ほど前に「人竜戦役」という
とても大きな戦いがありまして』

コーネリアス『…存じておる。
確か、人と竜が生存をかけて争った…』

クレイン『その時、竜を倒したと言われる神剣なのですよ(キラッ)』

コーネリアス『!! 何と!
そのようなものを…何故、こちらに?』

クレイン『「竜」との戦いは終わりましたから、もう必要ありません。
それに、敢えてこの剣を差し出す事で、
戦争などせず、親睦を深めたい、というロイ様のお気持ちの表れにございます(キラッ)』
(まぁウソなんだけど)

コーネリアス『…!なるほど。分からん』

マルス(分からんのかよ)

コーネリアス『まあ、よく分からんが…
とりあえずこれが親交の証というわけじゃな』

クレイン『もちろんですとも(キラッ)』

コーネリアス『なるほど。よく分かった。
そちらの親交の証、ありがたく受け取らせていただく』

クレイン(ちょろいなこの国)

クレイン『ロイ様が直接来る事が出来ず、申し訳ありません(キラッ)』

コーネリアス『いや、いいんだ。
実は…わしも、あんまりこういうかたいイベントは好きじゃなくてな、
むしろそっちの国のロイ殿が、
めんどくさいから部下に押し付けるような適当な方で、少し安心しておる』

リーザ(本当昔っから面倒くさがりなのよねこの人…)

エリス(この父さんの面倒くさがりが確実にマルスに受け継がれとる…)

コーネリアス『エレブとは今後も仲良くやっていけそうだ。
せっかく来たのだ、おぬしも少しゆっくりしていってくれ』

クレイン『そうですね(キラッ)
では、少し散歩しながらこのお城を見て回る事にします(キラッ)』



マルス『…!』

リーザ『マルス、どこへ行くのです!』

コーネリアス『あのクレインという人にお話でも聞くのではないか?
よいよい、放っておけ』

エリス『…』




―――――
中庭


クレイン『やぁ、君はさっきの(キラッ)
どうしたんだい、こんな所まで』

マルス『クレイン様…!ぼくは…』

クレイン『ん?』


マルス『あなたのようなイケメンな人を見た事がありません!!』


クレイン『…ほう(キラッ)
嬉しい事言ってくれるじゃないの。
この国は安泰だな、ははっ』

マルス『どうして、そのような自信に満ち溢れた言動…笑顔が、
自然とできるのですか…!』

クレイン『どうして、そんな事を聞くんだい?(キラッ)』

マルス『僕は…王子なのにとても内気で。
人とも満足に喋れず、自信も持てず…
どうしたら、クレイン様のような人になれるのか…』

クレイン『へえ。君、中々見る目があるね。
昔の僕のようだよ』

マルス『昔の…?』

クレイン『僕も昔は、こんなにイケメンじゃなかったんだ。
僕がイケメンになれたのはね、パント様のおかげなんだよ』

マルス『パント様?』

クレイン『よし、気に入った。
君も、中々イケメンではあるし、この技も教えられるだろう。
君の為に、僕がパント様直伝の「ルイーズダウン」を教えてあげよう!』

マルス『ルイーズダウン?』

クレイン『この笑顔の事さ(キラッ)
パント様は、この笑顔で現妻のルイーズ様を一発で惚れさせた(キラッ)
だからこの輝く笑顔を、ルイーズダウンと呼んでいるんだよ(キラッ)』

マルス『へええ…』

クレイン『これを学べば、君もすぐ誰かに惚れてもらえるよ(キラッ)』

マルス『クレイン様もルイーズダウンで誰かを惚れさせたのですか?』

クレイン『んん、まあ妹がベタ惚れだよね。
あと、ティトっていう子がいるんだけど、僕のスマイルを持ってしても
中々素直になってくれないかったなあ(キラッ)
まあそんな人も中にはいるけど、とにかく、これは凄いスマイルなんだ。
これさえ習得すれば、君は更にイケメンとなり、自信も持てるようになる!
てわけで、今日から特訓をしようか(キラッ)』

マルス『…はい!』


―――――

オージェ「マルスをこんなにした元凶は
クレインだった
のかあああああ!!!!!」

マルス「元凶だなんて失礼な。僕の恩人だよ(キラッ)」

シーダ「そんな事があったのですか…」

マルス「クレイン殿の受け売りだからね、このスマイルは(キラッ)」

シーダ(マルス様が『殿』ってつけてる…
相当その人を尊敬しているのね…)

オージェ(そんなクレインを尊敬しちゃう辺り
この王子も元々ちょっとはおかしかったんだな…)

オージェ「…ていうかクレインが
教えられたって言うんだから…真の元凶はパントか」

マルス「まあ、そういうことだよ(キラッ)
じゃ、アリティアをちゃっちゃと取り戻そうじゃないか(キラッ)」

オージェ「分かってますよ…」
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