ましろ色シンフォニー
□第4話
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悠梨と新吾はあの後教室に戻ってきていた
「おっ、どこ行ってたんだよ〜瓜生、一之瀬〜」
教室に入ると各務台の生徒に声を掛けられる
「ただでさえ、椋梨がいないんだから、さらに面子が減ると心細いっつーの〜」
「俺達どうしよう。マジで〜。お嬢様がたから風あたり超強いっつーの、超嫌われちゃってるっつーの!!」
徐々に各務台の生徒がドア近くにいる、悠梨と新吾のところへわらわら集まってくる
「いや、めげずに頑張って行こうぜ!」
『おっ。言うじゃん新吾!じゃあ、この空気改善は新吾に丸投げしてもいいってことだね』
「いや、あの悠梨がいるから言えたって部分もあるんだけど…」
『へっ?そうなの??』
悠梨は頭に疑問符を浮かべる
『ま、いいや。ここでくじけたら試合終了だし、まあ話し掛けていけば、なんとかなるって!』
「そ、そうかな…?」
『「そうとも」』
新吾と悠梨の声が重なる
*****
「いい加減にして!!」
授業が終わると同時に愛理の怒鳴り声が教室に響いた
『おいおい、新吾。また何かやからしたのか…?
』
悠梨は新吾の隣で笑いを必死にこらえながら新吾に声をかける
目の前には怒っている愛理
「“一之瀬”君!!」
『!!?…(名前じゃくて苗字+君付けになってるし…)』
「後、瓜生君も…」
「俺は悠梨のついでなんだ…」
悠梨は自分が愛理から、名前で呼ばれなくなっていることに少しショックを受け
新吾は自分がついで呼ばわりされたことにショックを受けていた
「一之瀬君はともかく、瓜生君は男子を先導してるもんね〜」
『(なんで俺は“ともかく”扱いなのに愛理に怒られているんだろう…)』
「ぅぇ」
「ほんっと。……なんでアンタみたいなのがあたしの幼馴染なのよ。それに瓜生君は桜乃のお兄さんだし…」
『「(理不尽すぎる…)」』
二人はあまりの暴論にあきれていた
「ま、まあまあ。瀬名さんっ。こういう時はね。まず話し合いをしたほうがいいと先生思うんだけど………」
「それが難しいからこうなってるんじゃないですか!無神経で無遠慮な相手と、どう話し合えと!?」
「ううっ、やっぱり聞き入れてもらえないわよね。はああぁぁ、私って…」
八塚は愛理と悠梨の間に入り、仲裁に入るが愛理は怒り気味に八塚に当たる
『(先生に当たるなよ。この件には関係ないんだから。って俺も関係ないんだけど…)あの、八塚先生…?』
「はっはい!?」
『あの、あまりお気になさらないでください。先生が止めに入ってくれて本当に助かりましたから』
悠梨は流石に可哀想になって落ち込んでいる八塚にフォローを入れる
「ありがとう。一之瀬くんっ!!!男の子って優しい…」
悠梨言葉を聞き、八塚は目をキラキラさせる
『い、いえ…』
「…っ!」
八塚の予想以上の反応に悠梨は戸惑う
その様子を近くで見ていた愛理の顔は一層厳しくなる
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