ましろ色シンフォニー

□第2話
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???SIDE


ふ〜ん、アイツが愛理の話してた、幼馴染ね〜



見るのは初めてだけど…



なんつーか、すっとぼけた顔してんな〜



何に怒っているか知らないけど男なんかに関わるからそうなんのよ


ま、あたしはみう先輩さえいればそれでいいけどね〜…



???SIDE OUT




*****




愛理SIDE


あたしはあのあと、一人歩いていた



別に用事があるとか、そういうわけじゃなくて、あいつの……悠梨の所からただ離れたくて


あいつはどことなく母さんに似てる



飄々としていて、でも抜け目がなくて、



あたしをからかうのが好きで……でも母さんと悠梨とでは決定的に違うところがあった



あいつは母さんと違って幼いころはあたしの傍にいてくれた



母さんがいない時、寂しい時・辛い時にあいつは何故かあたしのところへ現れた



まるであたしの心を読み取っているみたいに……



でもそれを不快だと思ったことはなかった




あたしの誕生日を祝ってくれたり、あたしの心の隙間をあいつが埋めてくれた


なんというか、兄さんみたいな感じだった


からかってきたりするけど……


でも幼いころ母さんと上手くやっていけたのは多分あいつのおかげ


だから悠梨の姿が現れなくなってから毎日心が不安定で、どうしようもなくて……だから変化しないような環境をあたし自ら作ろうと考えた




どうしてあたしの傍を離れてしまったの?



どうしてあたしは悠梨がさっき話し掛けてくれたのにそれを聞き入れられなかったの?



どうして自分に素直になれないんだろう?



これからどうすればいいんだろう……



SIDE OUT




*****




講堂内



『さてさて…ここからが山場なり…』



「にしても驚いたな…悠梨に結女の知り合いがいたとは……」



隼太は予想外そうな声を出す



『知り合い、というよりは妹みたいなもんだよ。蘭華さんは母親みたいなもんだし』



「あら、私のことはお母さん、って呼んでもいいのよ?いずれ愛理と結婚するんだし」



「けっ…結婚!?」



蘭華の言葉に目を丸くして驚く隼太



『しませんよ。結婚なんて』



悠梨は隼太が驚いているのはスルーで蘭華の言葉を即否定する


「私としては愛理を手なずけられるの悠梨くらいのもんだと思うし…」



「手なずけるって、犬か何かみたいだね…」



新吾は驚いているが会話にはきちんとはいる



「愛理は犬?じゃあ私は猫でいい」



「桜乃、一体なんの話しをしてるの?」



新吾の言葉にいつも通りのマイペースぶりを発揮している桜乃がいた



『手なずけられなかった結果があれなんですけどね…』


軽口を叩く悠梨



「大丈夫♪きっとすぐに機嫌を直すわよ」


悠梨の様子を見ている蘭華は終始笑顔だった



『だといいですけど……!?』



その時だった



悠梨はビクッっと体を一瞬震わせる



「悠梨?」


蘭華が怪訝そうな顔をする



『あっ、ちょっとトイレ行ってきますね!』



悠梨はそういうと凄い勢いで講堂を出ていく




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