Double
□3:オンマのお節介
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水樹玲緒は日本の歌手、俳優、タレントであり、男性アイドルグループ、嵐のメンバー。
小学4年生のとき(1996年)にジャニーズ事務所に入所。ジャニーズJr.の人気絶頂期を支えた一人。
1999年、嵐のメンバーに選ばれCDデビュー。
メンバー内最年少であり、弟的な存在として他メンバーやファンから可愛がられている。
身長165cm、体重48kg。
愛称は玲緒くん、玲緒ちゃんなど。
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「……で?」
楽屋に戻るなり、いきなり携帯の画面を見せつけてきたジェジュンに思いっきり冷ややかな視線を送る。
煌々と映し出されているのは、検索1ページ目には大概顔を出す通称ウィッキー。
宿舎に帰ったらパソコンで検索するかとぼんやり考えたのも束の間、実はすでに忘れかけていたのだが、何故かこの人が僕の代わりに僕より先に張り切って検索していた。
「だからプロフィール。玲緒くんの」
ハイと携帯を渡された日本人マネージャーによってスラスラ読み上げられていく。
いや、それより『玲緒くん』って何だ。
さっき初めて会った相手に対してやけに馴れ馴れしい呼び方だなとは思ったものの、まぁジェジュンだしと深く考えなかったら、やはり引っ掛かったらしいユチョンが口を挟んだ。
「いつの間にそんな呼び方する仲になったのジェジュギヒョン」
「え、ついさっき。そこで」
は?
ドア一枚隔てた廊下を指差すジェジュン。
一人だけ遅れて戻って来たと思ったら、水樹玲緒をナンパ…もとい捕まえて、早くも連絡先をゲットしてきたらしい。…って、やっぱりただのナンパじゃないか。
「ヒョンの行動力には脱帽です。その機転の早さがMCにも毎回発揮されれば言うことないんですけど」
「だっろー!?可愛いマンネのために勇気出して頑張ったよ俺!」
すみません後半聞こえませんでしたか皮肉です。
キラッ☆と擬音が付きそうな笑顔全開の彼にわざわざ解説する程のことではないとそこはもう諦め、僕は黙々と荷物を片付けることにした。
「ちょ、ちょっとチャンミン玲緒くんの…」
「僕はヒョンと違って男にアタックする趣味はありません」
振り向きもせずピシャリ言い放つ。
俺だって無いよーとかブチブチ続けているのは完全無視。
「おーいマネージャーがもう車回してくるってー」
「えー待って待って俺まだ着替えてないー!」
ユノの声に、ジェジュンが脱いだ衣装を放り投げて慌てているが、誰も手伝おうとせず続々と楽屋を後にする協調性は素晴らしいと思う東方神起。
まだワタワタしてるジェジュンを置いてけぼりにヒョン達に続いて楽屋を出ようとしたら、
「いーよウチのマンネより玲緒くんの方が可愛いし仲良くなってやる!」
と、負け惜しみなんだか訳のわからない宣戦布告をされてしまった。
どうぞご勝手に。
ただし、確かに彼は僕より可愛いのかもしれないが、それは僕がすでに可愛い時代を通過して格好良く成長したからだと訂正しておきたい。
や、今のは負け惜しみじゃなくただの事実です。