Double
□10:麺は異なもの味なもの
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……ふふ。
お わ っ た 。
「あぁ小林教授のレポートね。はい確かに預かりましたよご苦労さん。じゃあこれ受領証」
「よろしくお願いします」
受付の人に一礼したその時、時計の針が4時きっかりを指した。
私が事務室を出ると同時に『業務終了』の札がドアに掛けられ、タッチの差で締め出された学生達の悲痛な叫びが廊下に響き渡る。
「うわぁあ間に合わなかったー!」
「俺の単位ーっ!!」
合掌。
朝から大学の図書館にこもって締め切り時間ギリギリに書き上げたレポート。完成があと五分遅ければ、私も彼らと同じく単位を落とすところだった…危なかった。
……きゅるるー。
無事にレポートを提出しホッとしたら、即座に反応したのはお腹の虫。
そういえば朝にパン一個食べたっきりだった。そりゃお腹も空くよね。
「よっし!」
こういう時に食べたい物と言えば決まってる。
構内を駆け抜け、私は目的地に向かって意気揚々と校門を飛び出した。